ぽっぺん日記@karashi.org
2008-10-01(Wed) [長年日記] この日を編集
_ 第二次世界大戦勃発す──
第三帝国の興亡 3 (3)(ウィリアム L.シャイラー)
第二次世界大戦に突入するドイツを現地で取材した著者が、膨大な資料を駆使しながら、誕生からわずか12年余で滅びたドイツ第三帝国の興亡を描くノンフィクション・シリーズの第3弾。
全5巻の「第三帝国の興亡」シリーズもいよいよ折り返し地点に到達した。 本書では、独ソ不可侵条約、ポーランド征服と解体、そしてデンマーク、ノルウェーの占領が語られる。
538ページというシリーズ既刊最長のページ数を誇る本書であるが、そのうちの実に300ページ以上が1939年初頭から1939年9月1日のポーランド戦争勃発までの9ヶ月間を描くことに当てられている。
そこから立ち上がってくるのは、関係各国が繰り広げる政治的駆け引きだ。
- ポーランド侵攻までの準備を整えるために、口先だけの平和を唱えて時間稼ぎに邁進するドイツ
- 平和的解決を目指しながらもオーストリア、チェコスロヴァキアと煮え湯を飲まされてきたがために、ドイツを信用することができない英仏
- できるだけ得られる利益を増やそうとしたたかに振る舞うソ連
- あくまでも徹底抗戦の構えを崩さないポーランド
といった国々の中でも、特に印象に残ったのが、ドイツと同盟を結びながらも、戦争に巻き込まれることを恐れ、ドイツとの距離を置こうとするイタリアである。 なんというか、いかにもイタリア的な態度というべきだろうか。
最終的にはムッソリーニの決断によりドイツと道をともにすることになるのであるが、後々ドイツの足を引っ張る存在となることを考えれば、参戦しなかった方がドイツ、イタリア双方にとって良かったのではないだろうか、などということを思ってしまった。
前巻では、ドイツはもちろんのこと、ドイツの蛮行を看過してしまった英仏にも怒りをあらわにした著者だが、本書ではそれらの国に加え、ポーランドも非難の対象になっている。 まだ独ソ不可侵条約が結ばれる前、ソ連より提案されたドイツのポーランド侵攻に対抗するためのソ連軍進駐をポーランドが拒否したことを、著者は
信じられないほど愚かな反応(p.171)
と記している。
しかし、正直なところ、これは公平な見方とはいえないだろう。 あとにソ連がドイツとともにポーランド解体を行ったこと、第二次世界大戦後に数々の衛星国を作り上げたという歴史的事実を考えれば、事態収束後にソ連がすんなりポーランドから引くと考える方が逆に不自然だ。
被征服国への非難は、ポーランドだけに留まらず、のちにドイツの軍門に下るデンマークやノルウェーにも及ぶ。 中立だったこれらの国に対して、著者は次のように記す。
あきらかに中立は、全体主義の支配する世界で生き残ろうとする小民主主義国を保護するものではなくなっていたのだ。フィンランドはそれを知ったばかりであり、こんどはノルウェーとデンマークだった。世界の友好的強国の援護をゆとりのあるうちに──実際の侵略がはじまる前に──受け入れようとしなかった不明を、彼らはみずから恥じるべきであった。(p.552)
いまだ大戦の記憶も生々しい1950〜60年代に書かれたということで仕方がない面もあるが、それでも独善的と評せざるをえない言葉である。 この裏には、連合国を勝利に導いたアメリカの国民である著者の強烈な自負があると見ても、あながち間違いではないだろう。 現在の混沌とした世界情勢の一因となった、アメリカの独善性が見えるようで、なんともいえない気分になる。
多少、著者の筆に気になる部分もあるものの、本書の資料的な価値はいささかも減じられるものではない。 第二次世界大戦に興味がある読み手には文句なしにオススメの太鼓判を押せるシリーズだ。
次巻では、西ヨーロッパ征服と大きな転換点となる対ソ戦が描かれる。 スターリングラード攻防戦がどう語られるのか、今から楽しみだ。
最後に、ナチスの代名詞として歴史に刻まれることとなる地名が登場する一節を引いて筆を置くことにしよう。
一九四〇年二月二十一日にはすでに、SS准将で強制収容所総監のリヒャルト・グリュックスは、クラクフ近郊を見て歩いた結果、アウシュヴィッツに新設「隔離収容所」として「格好の場所」を見つけたとヒムラーに報告している。そこは、いくつかの工場のほかには古いオーストリア騎兵隊の営舎があるだけの、人口一万二千ばかりのわびしい沼地だらけの町であった。(中略)まもなくそこはずっと陰惨な場所となる。(p.437)
- 松浦 伶
- 東京創元社
- 2835円
書評/歴史・時代(F)
2008-10-04(Sat) [長年日記] この日を編集
_ 車をぶつけられた
用事の片付けで運転していたら、車をぶつけられてしまった。
信号待ちをしていたら、後ろの車が急に進み出して、こちらの車の後部にゴツンってな感じ。 脇見運転をしていたとのこと。
参ったなぁーと思いつつ、以下の手順で処理。 自動車事故って初めての経験なので、やることを思い出すのに手間取った。
- 警察に電話して状況説明する。向こうも慣れているのでスムーズ。
- 警官が来たので、現場検証を受ける。こっちもスムーズ。
- 相手の人と連絡先を交換。
幸い相手の人が良い人で、特に問題になることもなく、事故処理は進めることができた。
車もテールランプにヒビが入って、バンパーあたりの塗装が剥れたくらい。 ただ、衝撃で頭が動いて首の後ろが軽いムチウチっぽくなってしまった。
で、相手と分かれて、自宅に電話を入れて車を出そうとしたら、バッテリーが上がっていて、エンジンがかからない罠。
仕方がないのでJAFの人に来て貰って、エンジンをかけて貰った。 待ち時間は30分ほど。
それなりに普段走らせている車なので、バッテリー切れってあるのかな、と思い、原因を聞いたところ、
- バッテリーが古い
- ハザードを付けっぱなし
が原因だろうとのこと。なるほどねー。
次の車検が来月なのでバッテリーを交換する必要があるね。 また、金がふっ飛んでいくなぁ。
帰宅してから保険会社とディーラに電話。 その過程で次のことを確認することを忘れていたのが分かった。
- 相手の車のナンバー
- 相手側の自動車保険会社
うむむ。 なんでも経験とはいえ、この歳になって基本的なことを忘れていて、ちと恥ずかしくなった(その後、相手の人に連絡をとって確認した)。
なんにせよ、自分が悪い訳ではないが、事故はいやなものですな。
_ 自動車保険について思ったこと
自動車保険というと、
- 代理店を持っている高いもの
- ネット主体の安いもの
の二つに大別されるのではないかと思う。
オレが入っているのは、高い前者で、最近、「ちと高いので、ネットの方にしちまうかなー」なんて考えていたのだが、やはり、対応は高い金を払っているだけあって良かった。
会社の同僚に安い後者の方に入っている人がいるのだが、以前、対応と尋ねてみたところ、「いや、バッテリー上がりの時に、付帯のロードサービスの人がすぐに来てくれたので良かったよ」と言っていた。 でも、それって事故対応じゃないから。
やっぱり事故の時の対応なんだよなー。 特に自動車事故は自分が原因ではないこともある訳だし。
今年はこのまま高い方を更新する予定。 また、金はぶっ飛ぶけどね。
_ WILLCOMだけだと、ちと心配な件
今回の事故で初めてJAFに電話したんだけど、JAFのコールセンターって0570から始まるナビダイヤルしかないんだね。
で、問題になったのは、WILLCOMからナビダイヤルに掛けられないこと。 仕方がないので、近くのホームセンターに行って、電話を借りてJAFに電話をした。
まぁ、
- JAFがナビダイヤル以外の電話番号を用意する。
- WILLCOMがナビダイヤルに掛けられるようにする。
のどちらかになれば解決する話ではあるのだが、WILLCOM1台で全て済ますのも、ちと心配かなーとは思った。
良い機会だから、iPhoneでも買ちまおうかなぁ。
2008-10-05(Sun) [長年日記] この日を編集
_ 「ご近所ミステリ」を逆手にとった秀作コージーミステリ──
ハロウィーンに完璧なカボチャ (創元推理文庫 (Mメ2-3))(レスリー・メイヤー/高田 惠子)
メイン州の田舎町ティンカーズコーヴを舞台に、ミステリ好き(と言いつつ家事に追われ、全然ミステリを読んでいないが)の主婦ルーシーが活躍するコージーミステリ〈主婦探偵ルーシー・ストーン〉シリーズ第3弾。
『メールオーダーはできません』、『トウシューズはピンクだけ』と、どんどん質が上がっている本シリーズだが、本作はさらに良い出来に仕上がっている。
前作から1ヶ月半が経ち、ルーシーは生まれたばかりの三女ゾーイの子育てと家事に追われつつ、妊娠中に増えた体重を気にする日々を送っていた。 ハロウィーンが近付き、子供たちが活気付く10月となったが、ティンカーズコーヴは不安に包まれていた。 町で放火と思われる建物火災が連続して起きていたのだ。 そんな時、ルーシーの夫ビルが修復した屋敷が不審火で全焼する事件が起きる。 焼け跡からは屋敷の持ち主である産科医ローランド・メイズの妻モニカの遺体が発見された。 修復工事の過程でモニカと友人になっていたルーシーは悲しみに暮れる。 モニカは何者かに狙われたのか? 真相を突き止めようとすると決意するルーシーだが……。
現代アメリカの行事を折り込むのが本シリーズの特徴だが、本作ではタイトルとカバーが表す通りハロウィーンがメインテーマ。 ハロウィーンは10月31日なので、今の時期の出版はグッドタイミングだ(もちろん、それを狙ったのではないかと思うが)。
日本では、少し前までは「ハロウィーン? 聞いたことあるけど、なんだっけ?」的な扱いだったはずだが、最近はイベントとして認知されてきた。 たぶん、その裏には広告代理店や菓子メーカーのキャンペーンがあるのではないかという気がするのだが、まぁ、それは措いておくとして、ハロウィーンといえば、なんといってもカボチャで作ったランプ「ジャックランタン」が有名だ。
本書を読んでびっくりしたのが、本場アメリカでは主婦が自ら腕を奮ってカボチャを ジャックランタンに加工するという話。 クリスマスには飾り付け、地域のコミュニティ活動には積極的に貢献して、カボチャの工作までしないといけないとは、アメリカの主婦も大変だ。
さて、ミステリとして見た本書であるが、冒頭にも書いた通り、シリーズの中でも最高といっていいものと思う。
といっても推理云々という話ではない。 「主婦探偵」と銘打ってはあるが、ルーシーが名推理を働かすということはほとんどなく、どちらかといえば「巻き込まれ」型のストーリー展開になるのは、これまでのシリーズ既刊と共通だ。 というか推理はことごとく外しているしね。
感心させられたのは「ご近所ミステリ」とも揶揄されるコージーミステリを逆手に取ったサイドストーリーの組み立てだ。
これまでのシリーズ常連、ミス・ティリーが寄る年波に勝てず、老いていく様子。 そんな彼女が引き起こしてしまう自動車事故──同じく第一作からの常連、新聞記者テッド・ティリングズの言葉を借りれば、
悪党も、トラブルメーカーも、被害者も、みんな顔見知りなのだ。(p.242)
というコージーミステリの特徴を巧みに扱っている。 訳者あとがきでは、ミス・ティリーが起こしてしまう事故をアメリカに住む老人の問題として書かれているが、また、車がなければ生活できない日本の地方と共通の問題でもある。
そんな社会派な要素とともに、ハロウィーンにこれまであまり見せ場がなかったビルが活躍する展開もあり、なかなか読み応えがある一冊 になっている。
つづく第4弾は、本書から一気に2年後の話になるとのこと。 これまでのシリーズはあまりにも間が詰まりすぎていて、「こんなに事件が起きまくるとは、ティンカーズコーヴも物騒なとこだな」と思ってしまう感じではあったので、ちょうどいいのではないかと思う。
本作に輪をかけて良い出来の作品を読めることを期待したい。
- レスリー・メイヤー
- 東京創元社
- 987円
書評/ミステリ・サスペンス
_ 病院に行ってきた
昨日の事故の影響で首の後ろがちょっと痛い、とwassrで呟いたら、「首は怖いので病院に行った方がいい」というアドバイスをいただいた上、妻からも行くように言われたので、近所の大学病院で診って貰ってきた。
時間外診療だったので、だいぶ待ったが(2時間弱)、読書ができたので満足。
で、レントゲンを撮って診断して貰ってところ、頚椎に異常はなく、衝突のショックで筋肉が強張り、軽いムチウチになっているとのこと。 安静にしていれば、2〜3日で治るという先生のお話だった。
湿布薬と痛み止め(我慢できない痛み用)を貰い帰宅。
帰ってから、妻に「診断書は貰った?」と訊かれて、診断書を書いて貰うのを忘れたことを思い出した。 まぁ、必要になってからでいいよね。作って貰うのも、えらく金かかるらしいし。*1
*1 たぶん、今回かかった総額よりも高い。
_ 車のバッテリを交換した
ディーラに電話を入れたところ、昨日、バッテリが上がってしまったので、早めに交換した方がいいと言われたので、午後はディーラに行ってきた。
現地でまた1時間ほど待ち。 また読書が進む。:-)
バッテリの価格は工賃含め、22,000円也。 あぁ、また金が飛んでいく〜。
_ JAFの救援コールにはナビダイヤル以外の番号もあった
JAFのコールセンターには0570から始まるナビダイヤルしかないと書いたが、実は普通の電話番号もあるらしい。
http://www.jaf.or.jp/rservice/network/network.htm
会員証にも印刷しておいてくれよなー。
ガイドブックに上記の電話番号は掲載されていたので、車のダッシュボードに入れておいた。
_ ハナが他の芸もできるようになった
オレが出掛けている間に、妻の知り合いの女子高生が遊びにきて、ハナを訓練してくれたとのこと。
帰ったら
- おかわり
- まて
が出来るようになっていて、ビックリ。
すげー、犬の訓練士とかになれるんじゃないかしら。 > その女の子
2008-10-06(Mon) [長年日記] この日を編集
_ 読めば落語が聴きたくなること必定の一冊──
赤めだか(立川 談春)
これはスゴイ本。
競艇選手になることを夢見ていた高校生。 しかし、身長が規定よりも高すぎ、その夢は挫折する。 次になりたい職業として選んだのが、なんと噺家。 しかも師匠としたのは、落語界の異端の人、立川談志である。 高校を中退し、談志の元に弟子入りするが、その日々は師匠の不条理な言い付けに翻弄されるものだった──。
本書は落語家、立川談春による半生記である。 落語家になることを決意した高校生の頃から筆を起こし、31歳で真打ちに昇進するまでが鮮やかに描かれている。
無知を嗤われるのを承知で告白しておくと、落語についてはほとんど知識がない。 落語は、他に聴くものがない時にぽっどきゃすてぃんぐ落語を聴くくらいなものだし、落語家についても、前座→二つ目→真打ちと昇進するくらいなことしか知らない。
そのため、立川談春の名を聞いたのも本書が初めてなことはもちろん、なぜ立川談志が異端の人であり、立川談志とその師匠である五代目柳家小さんとの間にあった確執についても全然知らなかった。
本書の優れた点は、三つある。
まず、落語について無知であっても突き放さず、きちんと読ませる内容になっている点である。
落語界について本文と調和させる形で説明し、談志がなぜ小さん師匠から破門され、寄席を持たない、いわば「一匹狼」として生きているかについても書いている。 本書を読めば、それらの事情に通じることのできる「教育的」な内容なのだ(もちろん、門外漢の感想なので的外れかも知れないが)。
次に、立川談志という人の魅力を余すことなく伝えている点である。
はっきり言って、談志を師匠として仕えることは大変なことである。 言い付けられる用事の数々は理不尽そのものだ。 金を遣わずシャワーを直せ、大量にある写真の白枠を全部カットしろ、家の塀を歩く野良猫を空気銃で撃て、なんていうのは序の口。 タクシーの中で運転手の迷惑も考えず怒鳴られながら落語をやり、談志の機嫌を損ねて一年間に渡り魚河岸で働くことを命じられる。
なぜ、そこまでして談志に仕え続けるのか。 著者は次のように書く。
弟子は皆、談志(イエモト)に恋焦がれている。断言してかまわないだろう。何故なら損得だけで付き合うには談志はあまりに毀誉褒貶が激しすぎる。離れた方が身のためと、実は誰もが一度は考える悪女のような人だが、それでも忘れきれない、思いきれない魅力がある。(p.127)
談志が著者に呟いた言葉も印象的だ。
「あのなあ、師匠なんてものは、誉めてやるぐらいしか弟子にしてやれることはないのかもしれない、と思うことがあるんだ」(p.69)
著者はこの言葉を自分が弟子になる身になって実感するのである。
そして、なんといっても本書の最も優れた点は、クライマックスとして自分の真打ち昇進試験という枠を据えながら、そこに描く絵を子さんと談志の和解としていることである。 自伝でありながら師匠を書く──これが師匠への愛でなくてなにが愛なのだろうか。読みながら思わず目頭が熱くなってしまった。
読めば落語が聴きたくなること必定の傑作である。 強くオススメしたい一冊だ。
_ 事故の件で保険会社から電話がきた
こちらの保険会社と相手の保険会社の双方から。
結果的には0対100で、全てあちら側の保険で修理・代車等にかかる費用を負担して貰えるとのこと。
まぁ、信号待ちの衝突なので当たり前といえば、当たり前なのだが、安心した(保険の等級を下げられたらかなわない)。
昨日、病院に行った費用はどうするかなー。 3000円くらいだったので、
診断書を書いて貰う費用 > 保険が適用される費用
って感じになるのではないかと思うのだが。
一回代理店に訊いてみるか。
2008-10-07(Tue) [長年日記] この日を編集
_ 日本人離れした文化人類学者の生き方を知ることができる一冊──
異郷日記(西江 雅之)
物心がついた頃から、自分は異郷にいるのだという感覚が、わたしにはいつも付きまとっていた。
そんな一節からはじまる一冊だ。
本書は、文化人類学者である著者が旅した世界各地の「異郷」について記したエッセイ集である。
著者の本を読むのは本書が初めてなのだが、驚かされるのが、その言語能力の高さだ。
英語やスペイン語、フランス語、アラビア語、スワヒリ語、ヒンドゥー語といったメジャー(?)な言語はもちろんのこと、異言語が混合してできたクレオル語と呼ばれる、主に旧植民地で使われる様々なマイナー言語まで操ることができるようだ。 「いったい、この人は何か国語喋れるんだろう」と疑問に思うこと必至だ。
インドで使われているタミル文字についても、「一字も読めない」としつつも
わたしは、ヒンディー語で使用されているデーヴァナーガリー文字ならば読むことはできる。その気になれば、原理的に同じ根拠に基づいているタミル文字も、一日二日あれば、看板ぐらいは読めるようになるはずだ。(p.118)
と書いていて、英語さえおぼつかない身からすると、次元の違いにのけぞってしまう。
著者はパプアニューギニアで開催される民族舞踊ショー「シンシン」から筆を起こし、日本語のロゴを残した車両が走り回るタンザニア・ザンジバルや、ドイツ人芸術家ヴァルター・シュピースによって「作られ」た伝統芸能「ケチャ」を観光資源とするバリ島・ウブド、言語学者チョムスキーと語り合ったオレゴン州ポートランドの思い出*1、ランボーの『地獄の季節』を片手に縦断した、まだ安全だった頃のソマリアと筆を進めていく。
ラストを東京・三鷹にある著者の住居「蝦蟇屋敷」の界隈で締めるあたりは、さすが
「わたしにとって、自分の皮膚の外側はすべて異郷だ」(p.8)
と書く著者だけのことはある。
世界各地の「異郷」とともに、なんとも日本人離れした著者の生き方を知ることのできる一冊である。オススメです。
*1 著者がキューバで知りあった、チョムスキーは百年以上前に死んでいると思っていた言語学を学ぶ青年の話はおかしい。
2008-10-08(Wed) [長年日記] この日を編集
_ B級映画好きにこそ読んでもらいたい青春+強盗+オフビート小説──
最高の銀行強盗のための47ヶ条 (創元推理文庫 M ク 14-1)(トロイ・クック)
22歳の美貌の銀行強盗を筆頭に、どこか頭のネジが飛んでしまったような登場人物たちが走り回る、青春+強盗+オフビート小説が本書。 映画畑出身という異色の経歴を持つ著者のデビュー作である。
作者トロイ・クックが関わってきた映画には『テイクダウン』(1994)、『スター・コンバット』(1995)、『センチュリオン・フォース』(1998)といった作品があるそうだ。 しかし、すべて日本非公開ということから分かる通り、お世辞にも大作と呼べるものはなく、どれもB・C級作品ばかりなようである(「トロイ・クック 映画」あたりのキーワードでググってみれば、さんざんな映画評が読める)。
それゆえと言って良いのか悪いのか、本書のテイストも完全にB級映画。 ただし、B級映画好きであるならば、5点満点で4〜5点をつけたくなるデキのB級映画ならぬB級小説だ。
本書の主人公タラ・エバンズは9歳の時から父ワイアットととも銀行を荒しまわってきた、筋金入りの銀行強盗だ。 はじめてタラがヤマを踏んでから13年。 美しい女性へと成長し、ワイアットの考案した"47ヶ条の規則"に従い危げない仕事をしてきたタラだったが、最近はワイアットと手を切ることを考えはじめていた。 ワイアットが年々凶暴さを増し、仕事の現場で無差別に殺人を犯すようになっていたのだ。 銀行を襲うため、テキサス州の田舎町に来た時、タラに運命の出会いが訪れる。 町の酒場でマックスという名の青年に一目惚れしてしまったのだ。 これを機にワイアットと別の道を生きることを決意するタラだったが……。
冒頭にも書いた通り、本書にはまともなキャラクターがほとんど登場しない。
まず、主人公のタラからしてそうだ。 彼女はマックスと駆け落ちすることとなるのだが、「普通の女の子になりたい!」と言うのかと思いきや、そうはならず、マックスが頼れる男かどうかを見るため、「テスト」と称してコンビニ強盗をさせてしまうのである。 それも当たり前と言ってしまえば当たり前。 なにしろ、彼女は9歳から銀行強盗一筋の人生を送っている。 それ以外に「男」の度合いを測る基準を持っていないのである。
父親へのコンプレックスを持っていたマックスもまた、「タラを優しく一般人の道に導く」なんてことはせず、簡単にタラに感化されてしまい、タラと二人でボニー&クライドばりに南部を荒しまわることになる。
そんな二人を追うのがターミネーターもかくやという無敵ぶりとティンダロスの猟犬ばりのしつこさを持つ男、ワイアット。
そこにマックスの父親にして自己啓発本狂いの保安官であるウィリアムズ、ワイアットとタラの犯罪を追いかけるサディストな捜査官(死体を見て興奮する変態)率いるFBI一団、さらにワイアットの金を掠めとろうとするエバンズ親子の昔の仲間が絡んできて、めちゃくちゃなストーリーが展開されてしまう。
個人的に見るところ、本書で普通の人間(脇役を含む)はサディストなFBI捜査官に苦労させられる部下である黒人捜査官ドーキンズ、サラの叔母メイ、アメリカン・インディアンの少年〈走るクマ〉のわずか3人。 本書のキレ具合が分かろうというものだ。
めちゃくちゃなストーリーに、めちゃくちゃな登場人物という、二重に「めちゃくちゃ」な要素を持たせながらも、それでも物語を破綻させずクライマックスまで着地させる作者の手腕は素晴しい。 映画では実力が発揮できなかったようであるが、小説の分野では作者の才能が見事に開花したと言っていいだろう。 一度ページを開き勢いにノってしまえば、ぐいぐい引っ張られて一気に読まされてしまうこと間違いなし。
どこをどう読んでも、ほろっとさせられたり、教訓を得たりはできない*1、完璧にエンタメに徹した小説である。 B級映画を楽しむように、登場人物たちの暴れっぷりを(多少のツッコミを入れながら)ニヤニヤしつつ読むのが本書の正しい読み方と言えるだろう。 ビールを片手にほろ酔いになりながら、なんていうのもオツかもしれない。
B級映画好きにこそ読んでもらいたい一冊だ。 ただし、遵法精神の欠片もない内容なので、「法令遵守」タイプの人は注意のこと。;)
訳者あとがきによれば、カリフォルニア知事選を舞台に、私立探偵に候補者、殺し屋が右往左往するというストーリーの著者の第二作が近々、本書と同じく東京創元社から出版予定との由。 どんなめちゃくちゃなストーリーが描かれるのか、今から楽しみである。
- トロイ・クック/高澤 真弓 訳
- 東京創元社
- 1050円
書評/ミステリ・サスペンス
*1 ただし、作中で紹介される"47ヶ条の法則"は*銀行強盗をする時には*役に立つかもしれない。←もちろん、ジョークですよ。
2008-10-09(Thu) [長年日記] この日を編集
2008-10-10(Fri) [長年日記] この日を編集
_ ホラー好きはもちろんのこと、普通小説の読み手にもオススメできる一冊──
ポドロ島 (KAWADE MYSTERY)(L.P.ハートリー)
英国作家L・P・ハートリーによる短篇集が本書。
「ハートリーという人の作品は読んだことがないなー」と思いながらページを開いてみたら、表題作をどこかのアンソロジーで読んだ記憶が。 巻末の初出からすると創元推理文庫の『怪奇小説傑作集』で読んだのかもしれない。
収録作は全部で11篇。そのうちの7篇が本邦初訳とのこと。
「ポドロ島」をはじめとしてすべて怪奇小説が選ばれているが、どれも死こそあるものの血腥さはない。 代わりにあるのは背筋にゾクッとする怖さだ。
たとえば、「ポドロ島」。
男と女、そして船頭がゴンドラでヴィネチア沖の無人島に遊び行く。 島に猫を見掛けた女は猫を連れて帰ろうとするが、なかなか捕まえることができない。 徐々に女はヒートアップしていき、捕まえることができなければ、猫を殺すと息巻く。 女の言葉を真に受けなかった男は船頭とともにゴンドラで女を待つことにするが、日が暮れても女が戻らない。 船頭とともに男は女を探しに行くが──。
結末は曖昧だ。 女と猫は怪物に殺されたのか。 それとも猫の呪いによって女は殺されたのか。 もしかして、船頭が女を殺したのか。 読み手によって様々な解釈があるだろう。 なんともいえない読後感を残す作品だ。
ゾクッとする怖さは「持ち主の交代」にもある。
無人の屋敷から締め出された男が窓から中に入ろうと、屋敷の裏手に周り込む。 幸い窓に鍵はかかっておらず、桟を押し上げると持ち上がっていく──と、その時、突然、中から手が現れ、桟を下げる。
情景を想像してしまい背筋が少し寒くなった箇所である。
ホラー好きはもちろんのこと、普通小説の読み手にもオススメできる一冊。
ただ、2,310円(税込)という価格は少々高いように感じられる。 ハードカバーではなく、文庫の方よかったのではないだろう。
最後に個人的な収録作ベスト3を。
- 「ポドロ島」
- 隣りの部屋の妹がなにがあったのかを想像すると怖い「合図」
- 凄いラストで思わず笑ってしまった「足から先に」
次点で「持ち主の交代」。
2008-10-11(Sat) [長年日記] この日を編集
_
本の雑誌 302号 油蝉ガムテープ号 (302)
読む本が山積みで、本誌を読むのが遅くなってしまった。 もう4号遅れかな?
特集は「2008年上半期ベスト1」。
ランクインした作品のうち読んだものは『赤めだか』と『新世界より』だけ。 『平成大家族』と『忍びの国』、『婚約のあとで』はそのうち読みたい。
以下、他の記事の感想をつらつらと。
50代雑誌13誌読み比べ/50代雑誌の「からに」にご用心!(柴口育子)
雑誌を読んでいた世代の年が段々上がってきて、最近は50代向けの婦人雑誌が創刊ラッシュらしい。
そんな雑誌の数々のレビューなのだが、どれも語り口が毒舌すぎておかしい。 最高に笑ったのは『ゆうゆう』に対する
まるで老人雑誌
という評。
連続的SF話(鏡明)
野田御大が亡くなった話。
これとは全然関係ないんだけど、鏡明っていつも世界中を飛び歩いているようで、「いったいなにやってる人なんだろう?」って前々から疑問だったのだが、Wikipediaを見て疑問氷解。 電通の執行役員だったんだね。 それは世界中に行く訳だ。
電通というと、あんまり良いイメージがないが。
十二人の不吉な男(吉野朔実)
先日の『BSブックレビュー』に吉野氏本人が出演して紹介していた
Gallop! (Scanimation Books)(Rufus Butler Seder)を取り上げている。
これは画が動いているように見える不思議本。 訳書もあります。
「世界の魔窟から」(第2回) 日下三蔵邸・自宅編
前号のつづき。
これはまたスゴイ。 まさに本の山なんてものはとっくに超えた世界になっている。
仕事場である書斎も本で溢れていて、日下氏はテレビ版エヴァンゲリオンの第拾参話で
スーパーコンピュータの隙間に赤木博士が入ってウィルス対策するシーン
のような感じで、本の隙間に入りながら原稿を書いているとのこと。
収入のほぼ100%を書籍代につぎ込んで資料代として申告したら、税務署の人に呆れられたというエピソードも面白かったが、両親から「玄関と廊下を通れるようにしろ」と言われる話にも笑った。
オレも時々、妻から「部屋の本が凄いことになってるよ」と言われるが、やっぱりレベルは違えど書痴と同居している人は大変だよねぇ(ぉ
『コンゴ・ジャーニー』をいちばん面白く読む方法(高野秀行)
コンゴの湖・テレ湖へ怪獣モケーレ・ムベンベを探しに行った旅行記『コンゴ・ジャーニー』の邦訳が今年邦訳されたが、著者レドモンド・オハンロンよりも先(同じ年か、1年前)に、実は高野秀行率いる早稲田大学探検部が現地調査のために滞在したという話。
その体験記
幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)(高野 秀行)は先日読んだのだが、そこには書かれなかった、
現地の村に滞在中、女性を紹介され、それが氏の初体験だったという衝撃の裏話がこの記事では明らかにされている。
なにを隠そう『コンゴ・ジャーニー』は積ん読になっているので、近々読む予定。
三角窓口
読者投稿コーナー。
なんで元ミュージシャンの作家ってナルシストっぽくて気持ち悪い人が多いのでしょうか。(中略)サッカーを語る作家って、なんであんなにえらそうにサッカーを語るのでしょうか。
という投稿に爆笑。
まぁ、二人しか該当する作家を思い付かないのだが。
_ Flickrアップロードツール for Windowsにいいものが見付からない
腕もへったくれもなくE-520でパチパチ撮りまくった結果、CFが一杯になったので、こないだPROにしたFlickrにアップロードした。
Flickr Uploadrで、写真の枚数で500枚、データサイズにして1GBをアップロードしたのだが、時間がかかること、かかること。
まぁ、FlickrはAmazon S3を使っているらしいので、速度が出ないのは仕方がないのだが、途中でFlickr Uploadrが落ちるのは困りもの。
落ちた後にFlickr Uploadrを立ち上げ直すと、どっかにゴミデータが残っているらしく、プロファイル*1を作り直さない限り、Flickr Uploadr内に消せない写真データが残ってしまう(もうちょっとスマートな方法があるのかもしれないけど、よく分からない)。
MacではiPhotoからFlickrにアップロードできるプラグイン(FFXporter)を使っていて、かなり便利だったのだが、WindowsではFlickr Uploadr以外にあまりよさげなツールがないんだなー。
picasa2flickrは、それなりによさそうなんだけど、肝心のPicasa自体が個人的にはあまり使いやすくない感じ。
もうちょっと時間をかけて探してみるか。
*1 %USERPROFILE%\Application Data\Flickr\Flickr Uploadr
2008-10-12(Sun) [長年日記] この日を編集
_ 体育祭に参加した
7時30分の集合なので、5時半に起床して、朝食食べて出動。 っつーか、集合時間はえーよ。
開会式で、来賓のあいさつを誰も聴いていなくておかしかったり、「思い起こせば、東京オリンピック──」と言い出したオッサンに「思い起こさなくていいよ!」と内心ツッコミを入れたりしたんだけど、なんといっても印象深かったのがラジオ体操。
ラジオ体操をするのは、実に10年以上ぶりだけど、不思議と身体が覚えているもんなんだよなー。
肝心の参加競技(10人縄跳び)は少々残念な結果だったが、まぁ、参加することに意義があるということで(ぉ。
なかなか楽しかったので、来年もなんか楽な競技に参加したいですな。
競技は昼前に終わったので、参加者へのご褒美(?)の弁当を貰って帰宅。
2008-10-13(Mon) 体育の日 [長年日記] この日を編集
_ 今日のできごと
- 筋肉痛解消も兼ねて、駅前のスーパーまで歩きで買い物
- 昼に焼きそばを作った(概ね好評)
- 風呂掃除
- ハナを拭いた
- 服を整理した
- E-520でハナやら空やら飛行機やらパラグライダーの人やら鳥やらを撮りまくった(計200枚)
- 夕飯に茶碗蒸しを作った(概ね好評)
- tDiaryをtrunkに追従すべく、VMware上で実験した(成功。明日本番に適用する)
こんな感じで、なんだか忙しい日だった。
_ 喫茶店でプルプルウマなる謎の言葉を見付けた
オレは生まれたての子馬がプルプル震える様子を思い浮かべて馬関係の言葉じゃないかと思ったのだが、妻は「プルプル震えるほどほどウマい」の意と予想。
で、実際はというと、店員さんによれば、トルコの村の名前らしいです。
なるほどねー。
2008-10-15(Wed) [長年日記] この日を編集
_ tDiaryをtrunkに追従した
たださんのリリース詐欺tDiary 2.3.1のリリース予告に合わせて、tDiaryをtrunkに追従。
ホントは昨日帰宅してからやろうと思っていたんだけど、晩飯を食べたら爆睡してしまったので、今日やった。:)
以下、手順。
まずはバックアップ。
cd ~/ tar cvzf diary_eucjp.tar.gz ~/diary tar cvzf tdiary_eucjp.tar.gz ~/public_html/d
次にアップデート。
cd /usr/local/src/ mkdir tdiary svn co https://tdiary.svn.sourceforge.net/svnroot/tdiary/trunk/core svn co https://tdiary.svn.sourceforge.net/svnroot/tdiary/trunk/plugin svn svn co http://svn.coderepos.org/share/platform/tdiary/plugin contrib cd ~/public_html/d/ cp -frp /usr/local/src/tdiary/core/* . cd misc/plugin cp -frp /usr/local/src/tdiary/plugin/* . cp -frp /usr/local/src/tdiary/contrib/* .
よく考えたら、各ディレクトリの.svnまでコピーしてしまっていたので、findを使って掃除。
cd ~/public_html/d
find -name ".svn" -exec rm -rf {} \;
この手順だと、アップデートが面倒そうなので、コピーせず、直接checkoutしたものを使うようにした方がいいかもしれない。 検討しよう。
トラブったところ
trunkの目玉はなんといってもUTF-8化だけど、FreeBSD 6.3R上で動かしているruby-1.8.6-p0とapache-2.2.4という古い環境でアップデートしたところ、categoryが文字化けしてしまった。
diaryデータをバックアップから書き戻して、ruby-1.8.6-p287, apache-2.2.9にバージョンアップした後、再度実行したところ、正常に変換された。
ちなみに、一昨日テストしたVMware上の
- FreeBSD 6.3R
- ruby-1.8.6-p111
- apache-2.2.8
という環境では問題なく変換できた。
っつーか、テスト環境と本番環境を合わせなきゃ意味ないよ、という話ですね。 はい、すいません。
バージョンアップ終了
この日記もUTF-8化された。
さて、trunkに追従できたのでpluginいじりでもしてみようかな。
2008-10-18(Sat) [長年日記] この日を編集
_ ギャグとスラップスティックなノリが全開の英国発バカ・ライトSF──
ブライトノミコン―リズラのはちゃめちゃな一年間 (創元推理文庫 F ラ 5-1)(ロバート・ランキン)
英国イースト・サセックス州に実在する観光地ブライトンを舞台に、ギャグとスラップスティックなノリが全開の英国発バカ・ライトSFが本書。
600ページ弱という長丁場ながら、全篇に渡ってギャグ・下ネタ・爆走するストーリーが展開されてしまう(ラスト近辺はちょっとシリアスだが)という、いろんな意味で恐るべき一冊である。
ちなみに『ネクノロミコン』を思わせるタイトルだが、クトゥルフ神話とはなんの関係もないので、あしからず(まぁ、『クリプトノミコン』といっしょですな)。
時は1960年代。 主人公のリズラは、ガールフレンドと訪れた観光地ブライトンで、ガールフレンドに振られた上、因縁をつけてきたチンピラに海に投げ込まれ、なんともカッコ悪い死を迎える。 そんな彼を蘇えらせたのがミスター・ルーンと名乗るスキンヘッドの巨漢。 神秘の探偵、麻薬愛好家、宇宙刑事、男の中の男、オカリナに新たな力を与えし者という肩書(ただし自称)を持つミスター・ルーンと血の契約を結んだリズラは、ヴァチカンより盗まれたという過去を自由に見ることのできるテレビ、クロノビジョンの存在を知らされる。 クロノビジョンを手にした者は世界を征服することも夢ではない──とくれば、案の定、世紀の大悪党オットー・ブラック伯爵がクロノビジョンを狙っているらしい。 ブラック伯爵に先んじるためには、ブライントンの地図に隠された12の図柄、ブライノミコンにまつわる事件を解決しなくてはならないのだ。 リズラはミスター・ルーンの記録者として冒険に飛び込むことに──。
というのが本書のあらすじ。 あらすじだけ読めば、一見カッコよさげだが、実のところ、中身はハチャメチャである。
正義の味方のはずのミスター・ルーンからしてスゴい。
H・G・ウェルズを手伝ってタイムマシンを設計した、ローマ法王は友達だ、ロバート・ジョンソンにギターを教えたのは自分だ、とホラなんだか分からないことを語るのなんていうのは序の口。
この天才的な頭脳を世のために使っている。わたしの使った金くらい、世の中が持って当然だ(p.95)
と嘯きつつ、どんな品物を買っても一切代金を支払わず、 レストランで食事をすれば、最後にネズミの骨を吐き出して勘定をタダにさせ、タクシーに乗れば、支払いの段で自慢の杖で運転手を殴り倒し逃げる*1、という金についてはモラルもなにもあったもんじゃない人なのである。
クロノビジョンを見付けるために解決しなければならない12の事件というのもスゴい。 なんと最後まで読んでも、なんで解決しなければいけなかったのか分からないものばかりなのだ。
事件の中には、聖職者同士のクリケット大会(なにそれ?)で狙撃犯を阻止しなかったり、ヌーディスト専用のレストランで食い逃げしたり、と事件と呼ぶのが妥当なのかどうか甚だ疑問なものまで混じっている始末。 ラストの第12章のリズラのセリフを借りれば、
十二のうちの半分はインチキみたいな事件ばっかりだったのに、今度のはそれ以下だ(p.551)
というようないい加減さなのである。
さらにストーリーの整合性がとれていないことなんていうのも当たり前。 先の章の美女がいきなり秘密結社の首領として再登場をしたり(詳しい説明はなし)、スチームパンク風のロボットや宇宙蟹が唐突に登場したり(やっぱり詳しい説明はなし)と読んでいて、なんだか頭がくらくらしてきてしまう。
本書の一番スゴいところは、こんなメチャクチャなことを作者が分かっていてやっているところ。 言ってみれば、吉本新喜劇(英国だからモンティー・パイソンか)あたりと同じくコントなんですな。 そう考えると、全章に登場するスパニエル・ネタ、パブがあればどこであろうと現われるバーテンダーのファンジオと、数々の「お約束」を見ることができる。
まぁ、本書で何度も使われる言葉遊びギャグは、平均的な日本人にはその面白さが分からないのではないかと思われるのだが……。
下ネタ大好きな品のない人間なので、書くのがはばかれるパブの名前を筆頭にニヤニヤさせてもらったし、全篇に散りばめられたフリーメイソンやエリア51、秘密結社『ビルダーバーグ』などの大好きな「ムー」ネタも愉しませてもらった。 ただ、600ページ弱は長すぎるというのが正直な感想。 だって、最初の1章と終わりの11章、12章を読めば、ストーリーの90%以上は把握できてしまうもんね。
感動できる本を探している人や読書からなにかを得ようと思っている人、下品なものが嫌いな人、ぐだぐだしたものが我慢できない人にはオススメしかねる作品だが、そこらへんに耐性がある読み手あれば、それなりに愉しめる一冊ではないかと思う。
- ロバート・ランキン/圷 香織 訳
- 東京創元社
- 1554円
書評/ミステリ・サスペンス
*1 いちおうラスト付近でその深淵なる(?)理由が説明されるけど。
_ ハナの歯が抜けた
ガーゼでハナの歯磨きをしたいたら、なんだか歯がぐらぐらし出した。
「うわ!」と思ったら、ハナが口をもごもご動かして、抜けた歯を吐き出した。
乳歯が抜けたぽい。 当たり前だけど、犬もだんだん大人になっていくんだなー。
2008-10-19(Sun) [長年日記] この日を編集
_ デニス・ルヘイン『運命の日』を全力でオススメする
個人的には初めてのデニス・ルヘイン作品。
いくつかのサイトで絶賛されていたので読んでみたのだが、たしかにこれは評判に違わぬスゴい本だ。 読む価値ありの太鼓判を押せる大傑作である。
時は第一次世界大戦末期の1918年。 ボストンは不況を原因とする労働者のストライキと、ロシア革命の影響を受けて活動を激化させていた共産主義者や社会主義者、アナーキストにより不安定な社会情勢となっていた。
警部の父を持ち将来を嘱望されていたボストン市警巡査ダニーはある内密の任務を受ける。 それは待遇に不満を持つ警官たちの組合に潜入し、その内情を調査するというものだった。 刑事への階段を昇るため任務を請け負ったダニーだが、調査を進めるうちに、職務に忠実でありながらも貧困にあえぐ警官たちに同情し、一緒に待遇改善を求めていくことを決意する。
一方、成功を夢見てオクラホマ州タルサへ引っ越した黒人の若者ルーサーは、軽い気持ちで裏社会と関わりを持ったばかりに殺人を犯してしまう。 ギャングから追われる身となり、身重の妻からも絶縁されて、すべてを失ったルーサーは、匿ってくれる人物を頼りボストンへと向かう。
ストーリーはダニーとルーサーという二人の主人公の交互の視点から織られていくのだが、要所要所で当時を代表する野球選手ベーブ・ルースの視点によるエピソードが挿入される。
このベーブ・ルースのエピソードが実に良いのだ。 特に冒頭に書かれたベーブ・ルースとはじめとする大リーガーたちの混成チームとルーサーを含む黒人チームとの草野球シーンの素晴しさは筆舌に尽しがたいものがある。ぜひ、その美しさと、一転して訪れるペーソス溢れる結末を堪能していただきたい。
作者は複雑な人種問題、 労使間の攻防、 アメリカに馴染もうと努力する移民、 どん底の生活状況で生きる人々、 欧州からの復員兵がもたらしアメリカ中に猛威を奮ったスペイン風邪(インフルエンザ)など、当時の様々な事象を生き生きと描写していく。 その確かな筆力のおかげで、読み手はおよそ90年前のボストンの様子がまるでつい昨日のことのように感じられるに違いない。
本書は1919年に起きた警官のストライキを題材とした歴史小説であるが、それだけでなく、警官である親子の確執と愛を描いた警察小説であり、人種や社会的地位を越えた男たちの友情小説であり、すぐそこにある本当の幸せを見付けるためにわざわざ遠回りをしてしまう男の悲しさを浮き彫りにした小説である。
間違いなく、今年の収穫のひとつとして数えられる作品だ。 全力でオススメしたい。
運命の日 上 (1) (ハヤカワ・ノヴェルズ) (ハヤカワ・ノヴェルズ) (ハヤカワ・ノヴェルズ)
早川書房
¥ 1,890
2008-10-20(Mon) [長年日記] この日を編集
_ tDiary-2.3.1にアップデートした
tDiary 2.3.1リリースされた。 関係者のみなさんお疲れ様です。
trunkで動かしているこの日記もアップデート。 こないだcheckoutしたレポジトリを有効活用する方向で、下記の手順にてアップデートを実施した。
cd /usr/local/src/tdiary/core svn switch https://tdiary.svn.sourceforge.net/svnroot/tdiary/tags/Release-2_3_1/core . cd /usr/local/src/tdiary/plugin svn switch https://tdiary.svn.sourceforge.net/svnroot/tdiary/tags/Release-2_3_1/plugin .
Changelogを除けば、数個のファイル(メモとるの忘れた)がアップデートされるので、それを日記本体に上書きして完了。
2008-10-23(Thu) [長年日記] この日を編集
_ 第29回SF大賞候補作
『Boy's Surface』 円城塔
『MM9』 山本弘
『赤い星』 高野史緒
『新世界より(上・下)』 貴志祐介
『電脳コイル』(テレビアニメシリーズ) 磯光雄
純粋に作品としての評価するなら『新世界より』だけど、SFとしての面白さは『MM9』の方が上かなー。
2008-10-25(Sat) [長年日記] この日を編集
_ 札幌Ruby会議01のustを視聴した
hsbtさんがtDiaryについて話すということだったので、出掛けなきゃいけなかった14時半まで視聴。
とりあえず感想をつらつらと。
WindowsだからRubyなのだ(artonさん)
WindowsでRubyを使う時のお話。
Windowsにも詳しくないし(他にも詳しくないことだらけなのだが)、WindowsでRubyを使ったこともテキスト処理のスクリプトを書いたことがあるだけなので、正直に告白すると、あまりよく理解できなかった(artonさん、すいません)。
とりあえず、WindowsにASRをインストールしていることは正解だということは分かった。:)
その他、artonさん独特の歩き回りながら喋るスタイルがircで「うろうろメソッド」と命名されていておかしかったり。
わたしとtDiary
hsbtさんがどのようにtDiaryのユーザから開発者へとレベルアップしていったかというお話。
やる気がビシバシ感じられる内容で、オレもがんばらなきゃいけないなと影響受けまくった。
とりあえず、またtDiaryのplugin書きを再開してみる(近いうちに)。
あと、セッションと直接関係ないけど、hsbtの読み方が「エッチなしばた」ということが判明した(ウソ
その他
kakutaniさんのtDiary + RSpec話もぜひ視聴したかったのだが、時間が合わず断念。
すべてのセッションはニコ動に上がる予定らしいので、アップされ次第見る予定。
2008-10-26(Sun) [長年日記] この日を編集
_ トム・ロブ・スミス『チャイルド44』を全力でオススメする
各所で絶賛されているので読んでみた本作だが、たしかに評判に違わぬスゴイ本。 大傑作の太鼓判を押せる一作だ。
時は1953年。 スターリン体制下にあるソ連・モスクワで男児の死体が発見される。 様々な不審な点があったにも関わらず、その死は単なる事故として処理される。 なぜなら、ソ連には幼児殺しのような重大犯罪は存在しないという大前提があったからである。 遺族を説得し事故として納得させた国家保安省のエリート捜査官レオ・デミトフは、 あるスパイ容疑者の拘束に成功するものの、部下の策謀により片田舎の警察官へと左遷される。 モスクワを遠く離れた地でレオが見たものは、彼が事故として処理した遺体の状況にそっくりな少年の死体だった。 一般人の移動が厳しく制限されているはずのソ連を徘徊する連続殺人犯が存在するのか? すべてを失ったレオは独自の捜査を開始する……。
実際にあったチカチーロ事件をモチーフに、時代を30年以上ずらしたソ連を舞台にして作者が徹底的に描いていくのは、ソ連という全体主義国家が内包していた「歪み」である。
その歪みを体現しているのはレオを陥れた部下ワシーリーだ。 出世の階段を昇るためならば、兄を告発することも厭わないという性格の持ち主として設定され、レオを苦しめることに暗い情熱を燃やす。
レオもまたその歪みと無縁でいる訳ではない。 ストーリーが進展すると、一見愛しあっている理想的な夫婦に見える彼と妻ライーサに存在する歪みが明らかになっていく。
だが、それも当たり前なのだ。 国家保安省の辣腕捜査官であるレオは、数々のスパイ容疑者を収容所や処刑台に送った経験を持つ。 内心でその無実を確信しながらも、である。 言ってみれば、ソ連という巨大な暴力装置の走狗なのである。 普通の結婚生活を営める訳がないのだ。
ある出来事によりソ連の体制に疑問を持つようになったレオは幼児連続殺人事件についての捜査を進める。 しかし、それは常に逮捕される危険性を伴い、場合によっては命を奪われかねないものだ。 なぜなら、体制が「ソ連には犯罪は存在しない」としている以上、そこから外れる行動はすべて国家への反逆なのである。
殺人鬼はこれからも殺しつづけるだろう。それが可能なのはそいつが並はずれて利口だからではない。そういう人間がいることを国家が認めようとしないからだ。(下巻・p.200)
とレオが考える通り、国家が連続殺人犯を結果的に擁護してしまうというグロテスクな状況が浮き彫りにされていく。
読み進めている間、ひりひりとした空気を終始感じさせる本書であるが、ラストには希望の光が見える。 それをリアルではないと感じる向きもあるのではないかと思うが、個人的には歓迎したい。 たとえフィクションであったとしても、やはり人生には希望が必要だと思うからだ。
デニス・ルヘイン の『運命の日』と並び、今年の収穫のひとつとして数えられる海外小説作品だ。 全力でオススメする次第。
チャイルド44 上巻 (1) (新潮文庫 ス 25-1)
新潮社
¥ 740
チャイルド44 下巻 (3) (新潮文庫 ス 25-2)
新潮社
¥ 700
参考
2008-10-27(Mon) [長年日記] この日を編集
_ アフリカの悲惨な現状と、それにも関わらず自立して生きようとする人々を知ることのできる一冊──
アフリカ・レポート―壊れる国、生きる人々 (岩波新書 新赤版 1146)(松本 仁一)
アフリカの様子がおかしい。
そんな一節からはじまる書である。
植民地から脱し、豊かな資源を元に希望に満ちた国づくりを行なうはずだったアフリカ諸国のほとんどは、独立から半世紀を経た今、「失敗国家」のレッテルを貼られる存在と化している。
なぜ、そのような状況が到来したのか。 『カラシニコフ』シリーズで世界の紛争を伝えた著者がアフリカの現状と将来をレポートしたものが本書だ。
アフリカの国家は次の四つに大別できるという。
- 政府が順調に国づくりを進めている国家(いまのところ、ボツワナのみ)
- 政府に国づくりの意欲はあるが、運営手腕が未熟なため進展が遅い国家(ガーナ、ウガンダ、マラウィなど10ヶ国程度)
- 政府幹部が利権を追いもとめ、国づくりが遅れている国家(ケニア、南アフリカなど多くの国家)
- 指導者が利権にしか関心を持たず、国づくりなど初めから考えていない国家(ジンバブエ、アンゴラ、スーダン、ナイジェリア、赤道ギニアなど)
本書でフォーカスされるのは3と4にカテゴライズされる国家である。
その惨状は目を覆わんばかりだ。
豊かだったはずのジンバブエの農業は大統領をはじめとする指導層の無関心のため10年で崩壊した。 彼らが私腹を肥やすことばかりに熱中し、経済というものを理解しなかったため、16万%のインフレという冗談にもならないような状況に陥っている。
人種差別の権化というべきアパルトヘイトを撤廃した南アフリカ共和国は、アパルトヘイト撤廃を勝ち取ったANC(アフリカ民族会議)が政権についた途端、あっという間に腐敗、政府が治安に対して何の対策も講じないため、治安は悪化の一途を辿っている。 首都ヨハネスブルクが世界一危険な都市と言われているのは承知の通りだ。
さらに資源が産出されるアフリカ諸国には、急速な経済発展のために資源を求める中国が手を伸ばし、国民の財産のはずの資源が中国へと運ばれていく。 もちろん、その代金は国の指導層の懐へと入ることになる。
救いようのないように見えるアフリカの現状だが、著書は国家ではなく、市民レベルで動き出した「人々の独立」というムーブメントを伝える。
人々の自立を促す運動を行なうNGOや、アフリカの人々に働くことの意義と誇りを教える日系企業など、その地道な活動には胸を打たれる。 援助といえば、とかくなにかを与えることを想像しがちだが、真に役立つ援助とはなにかを教えられた気がした。
アフリカの悲惨な現状と、それにも関わらず自立して生きようとする人々を知ることのできる好著である。
アフリカ・レポート―壊れる国、生きる人々 (岩波新書 新赤版 1146)
岩波書店
¥ 735
2008-10-28(Tue) [長年日記] この日を編集
_ 『消滅の光輪』は日本SF史に燦然と輝く一作だ
これはスゴイ本。
〈司政官〉シリーズに列なる長篇第一弾が本書である。 〈司政官〉シリーズの全ての短篇を収めた『司政官 全短編』を読んで以来、待望していた作品が復刊され嬉しい限り。
本書は小川一水に代表されるプロジェクト型SFの先駆けといっていい作品だ。
本書の舞台となるのは植民星ラクザーン。 特殊な藻類の輸出を主な産業とし、人類に瓜二つの先住民が暮らすその星へ司政官マセ・PPKA4・ユキオは赴任した。 マセがラクザーンに赴任してから1年後、連邦経営機構より突然の命令が下される──ラクザーンの恒星が新星化する危険性が高まったため、全ての移民を別の星へ退避させよ。 司政官制度が形骸化し、一行政機関と同じレベルまで失墜しているという困難な状況の中、マセは伝家の宝刀である緊急指揮権を確立し、ロボット官僚とともに空前の計画に挑む……というのが本書のメインプロット。
目を引くのはプロジェクトX的・シミュレーション的なストーリーだ。 住民の視点は排され、計画にかかる費用の確保、移住先を決定するための住民投票、脱出船の運行計画、移住後の住民たちの生活基盤確立など、様々な計画の遂行が徹底して司政官マセ──つまり体制側の視点で描かれていく。
強権政策に反発する移民たち、思惑の見えない連邦経営機構、軍事介入をちらつかせる連邦軍、なぜか事態を静観する先住民といった要素により、徐々に退避プロジェクトは困難の度合いを深めていく。 それらがどのような決着を迎えるかは実際に読んで確かめて欲しいが、連邦経営機構という巨大官僚組織から見れば、単なる中間管理職にしかすぎない司政官の悲哀を見ることができるということだけは触れておきたい。
さらにストーリーには司政官である自らのアイデンティティに悩むマセと、協力者である女性とのプラトニックな恋愛といった要素も盛り込まれ、読み応えのある作品に仕上がっている。 ラストはひとつの星の終焉を描きながらも爽やかだ。
登場するガジェットに少々の古臭さこそ見られるものの、プロットはまったく古びておらず、発表から30年近く過ぎているとは思えないほだ。 日本SF史に燦然と輝く一作である。 強くオススメしたい。
個人的には、本作につづく〈司政官〉シリーズ長篇第二弾である『引き潮のとき』が、創元SF文庫から復刊されるのかどうかが気になるところ。 黒田藩プレス版『引き潮のとき』は二巻までしか出版されていない上、価格もかなり高めなので、ぜひ文庫として出版して欲しいが。
※あと関係ないが、書影を用意して欲しい。 > Amazon
2008-10-29(Wed) [長年日記] この日を編集
_ tDiaryのSPAMフィルタに「スパムちゃんぷるーDNSBL」を使うことにした
livedoorの「スパムちゃんぷるーDNSBL」が一般利用できるようになったので「tDiaryでも使えるかなー」と思っていたら、hsbtさんがさっそく使えるようにしてくれた。hsbt++
ってことで、他にもDNSBLを使っていたのだが、SPAM除けには「スパムちゃんぷるーDNSBL」一本で行くことにした。
2008-10-30(Thu) [長年日記] この日を編集
_ WILLCOMのWVSでは月々の最低支払い料金は割賦料金より下にはならない
4月にWVSを使ってアドエスに機種変したのだが、iPhone 3GユーザーはBBモバイルが無料で使えるようになるらしいので、そろそろiPhoneあたりに乗り換えることを検討。
WVSで実質2年しばりだが、「プランを安心だフォンに変更して、回線を休止すれば、月々の支払いは800円くらいだろう」なんて甘く考えていたら、そんなもんじゃすまないことが分かった。
アドエスの割賦料金は月々2,130円の24回払いで、利用料金から月々2,130円が割引されるので、実質0円でアドエスが買えるというのがWVS(W-VALUE SELECT)。 この「利用料金から割引」というのがミソ。
W-VALUE SELECTの下の方に、小さく注意書きが書いてある。
ご利用金額がW-VALUE割引金額を下回る場合、割引額はご利用金額と同額になります。
つまり、アドエスのWVS割引額は、あくまでも月額の利用料金から引かれて、割賦料金から引かれる訳ではないということなので、どんなプランに変更しようと、アドエスの割賦料金は確実に請求されることになる。
当てが外れて、オレ涙目。
まだ、WVSの残額は38,000円以上残っているので、このまま使い続けるか、安いプランに変更して18ヶ月維持するか、すぱっと解約するか、決めないといけない。
どうするかなー。 WILLCOMの戦略が迷走状態なので、できれば乗り換えたいとこなんだが。
アドエスの引取先が見つかった
弟に連絡したところ、友人に何人かWILLCOMユーザがいるので連絡用に引き取ってもいいとのこと。
話し放題プランに変更して、WVS終了までオレが月1,000円を負担することで話がまとまった。とりあえず安心。
さて、ホントにiPhoneでいいかどうか考えないと。
_ Gmailを写真ストレージにするGphotospace
GPhotospace - Firefox photo sharing extension
gmailを利用して写真をストレージするgphotospace - huixingの日記経由で。
- Firefox extensionとして実装
- Gmailを使うので無料
- Flickrより7倍速い
- プライバシー設定も可能
というのが特徴。
7GB(Gmailの容量)というのは、ちと少ない気がするが、Flickrより7倍速いというのはいいなー。
つーか、Flickrアップロード速度が遅いんだよな。 いっぺんに総計1GBとか写真を送ると何時間もかかってしまう。 もうちょっと速くならないもんか。



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