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ぽっぺん日記@karashi.org


2007-03-02(Fri) [長年日記] この日を編集

_ 交通費の精算を自動化するエクセルのアドイン『お自動君』

すげー。

月末は交通費清算が面倒で仕方がないんだが、これでかなり楽できね?

OOoのCalcで同等のもんがあれば最高なんだけど、まぁ、無理だよな。

_ 読書会(山田 正紀/恩田 陸) 読書会(山田 正紀/恩田 陸)

山田正紀と恩田陸(ゲストも登場するけど)の古今東西のSFについての対談集。

SFを読みはじめたのが比較的最近なこともあって、取り上げられている本のせいぜい1割くらいしか読んでおらず、いまいちぴんとこないところもあったのだが、山田x恩田(って書くとイヤらしいな)の掛け合いも楽しめるし、「この小説は自分ならこう書くという」話も興味深く読めた。

山田正紀ファンとしては

  • 山田正紀が日本版『ハイペリオン』を企画している(ホントか?)
  • 『神狩り』の「人間は、関係代名詞が七重以上入り組んだ文章を理解することができない」という話は元ネタもないにもない全くの創作

あたりが個人的な収穫。

_ 兵器進化論―歩み続ける戦の業物たち (ミリタリー選書)(野木 恵一) 兵器進化論―歩み続ける戦の業物たち (ミリタリー選書)(野木 恵一)

陸海空の様々な兵器の誕生から現在までの進化をコンパクトにまとめた良書だった。

雑誌(『ミリタリー・クラシックス』)の連載記事が元になっているというだけあって、各兵器の解説にさかれているページ数は少ないのだが、細かい分類やスペックなどは省き、あくまでも大枠の発達の歴史にのみに重点を絞った記述のおかげで、深いところまで話題が掘り下げられているのが好印象。

また、取り上げられている兵器の種類も

  1. 陸上兵器
    1. 小銃
    2. 戦車
    3. 歩兵用対戦車兵器
    4. 地対地ロケット弾
  2. 海洋兵器
    1. 空母
    2. 駆逐艦
    3. 潜水艦
    4. 機雷
  3. 航空機・対空兵器
    1. 戦略爆撃
    2. 軍用輸送機
    3. 飛行艇
    4. ヘリコプター
    5. 防空レーダー

とポピュラーからマイナーなものまで揃っていて、流石は「ミリタリー選書」シリーズ、ツボを心得ている(上記、目次から抜粋)。終章では、現在のイラクで米兵の一番の脅威となっていて、戦死者の大多数がその犠牲になった兵器としてIED(即製爆弾)が取り上げられている。

俺自身が普通の人に毛が生えた程度の知識しかないので、軍ヲタな人は「へぇ」と思うかどうか分からないが、いちおう参考までに、個人的に「へぇ」と思ったところを列挙しておく(括弧内は感想)。

  • 太平洋戦争中の米軍のM1ガランドと日本軍の三十八式小銃を比較して「古臭いボルトアクションを使っていたから、自動小銃を持つアメリカに負けたのだ」という評価は間違っている。英独をはじめとして他の主要な参戦国もボルトアクション・ライフルを使っていたのだから。(言われてみれば、その通り)
  • ドイツ軍の突撃銃、MP44は試作名で、正式名はStG44。
  • 成形炸薬弾頭は、爆発の熱で装甲を溶かすのではなく、溶解した金属とガスの噴出の秒速8kmの超速度で装甲を突き破る。(熱だと思っていた)
  • アメリカ海軍のDST機雷は、低抵抗汎用爆弾に感応信管を組み込んで機雷に転換したもの。爆弾として使用する場合には信管を入れ替えるだけで済むため、弾薬庫スペースの限られた空母向き。
  • B-52は機体は戦略爆撃に分類されているが、現在の使用方法は戦術爆撃のみ。(言われてみれば、その通り)
  • 軍用輸送機用のパレットとして1957年にアメリカ空軍が制定したのがシステム463L。現在の西側の軍事輸送機の搭載能力は、パレット何枚を搭載できるかで表わすことができる。
  • US-2、カッコヨス。(日本の誇るべき飛行艇だね)

専門用語をほとんど使わない、リーダビリティの高い内容なので、軍事知識がほとんどない人にもお薦めしたい本なんだけども、やっぱりそういう人は読まないだろうなぁ。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_  [MP44とSTG44は全くの別物!! MPとはマシンピストルの略 そしてSTGはシュトロームゲバァー(突撃銃の意) ..]

_ poppen [http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%8D%E..]


2007-03-03(Sat) [長年日記] この日を編集

_ ひまわりのかっちゃん(西川 つかさ) ひまわりのかっちゃん(西川 つかさ)

「危ないかなー」と心配しつつ、電車内で読んだところ、案の定、涙が流れ出すのを必死に堪える羽目になった傑作。非常に読みやすい文章な上、漢字にもふりがなが多く振ってあり、小学校高学年だったら充分に読める内容なので、お子さんにも、ぜひ読んで欲しい本。もしかすると、元々、児童文学だったりするのかも知れないが、とにかく老若男女問わず、感動できる傑作だと太鼓判を押しておく。

現在、台本や漫画の原作、小説などを書くことを生業にしている著者の小学校時代の自伝なのだが、実は、著者は小学校5年生まで、ひらがなを書くことができず、1桁の足し算もできない、特殊学級の生徒だったのだ。しかし、そんな状況が、5年生の春休みに転校した学校で著者の人生の師とも言える、森田先生に出会うことにより一変する。その春休みの間、森田先生は著者を根気よく個人指導し、著者は「薄皮が一枚一枚剥がれていくように」世界の認識を新たにしていくのだ。

森田先生が溢れんばかりの情熱を著者に注ぎ、著者が変わっていく、二人の出会いから始まる春休みの2週間こそ、この小説の真髄であると言ってもいい部分だと思う。初めて著者が森田先生に出会い言われた、「字書けながったり、算数がでぎないごとなんか、なーんも恥ずかしがるごとないんだよ」という言葉こそ、本書が伝えたいことを的確に表したものだろう。

なお、著者に考えようによっては、ずいぶんとひどい嘘をついたり、父方の実家に泊まりにいった折に居心地悪い思いをする著者を慮らなかったりと、あまり良い感じではないようにも描かれる著者の兄ではあるが、時計の読み方が分からず、母親に折檻されそうになる著者に、影から答えを教えるシーンには、別に同じようなことがあった訳ではないのだが、自分と弟をオーバーラップさせて涙が滲んでしまったことも付け加えておく。

教育問題については、ほとんどなにも知らない、まったくのド素人なのだが、小学校の教諭をしている知人からは、最近は書類仕事が大量にある上、会議も頻繁に開かれるので、なかなか生徒と話したり、遊んだりする時間がないとの話を聞く。教師の不祥事が頻繁に起き、教師の質の低下が叫ばれる昨今ではあるが(もちろん、子供を教え導く教師が犯罪を犯すなどということは言語道断なことである)、教育現場を知らない会議の場で決定された方針が、現場の教師に押し付けられた結果、森田先生のような情熱を持つ人々の熱意を押し潰し、良い先生と出会える子供たちを減らすような事態にだけはなって欲しくないと切に願う。


ひまわりのかっちゃん

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書評/ルポルタージュ


2007-03-04(Sun) [長年日記] この日を編集

_ 小泉官邸秘録(飯島 勲) 小泉官邸秘録(飯島 勲)

タイトルからすると、「小泉政権の知られざる内幕を描く」という内容を連想するが、全然そんなことはなくて、全篇「小泉スゴス」という話が展開される。靖国問題や外交問題、教育問題等のマイナス面には「ほとんど」または「全く」触れられていない。

まぁ、著者は1972年から現在まで、実に30年以上、小泉に秘書として仕え、小泉政権時代には全期間に渡って政務担当首席秘書官を勤めたという人物なので、悪い話なんて書くはずもないのではあるが。

そんな訳で、小泉政権が行なった改革の是非や総括を知りたい、という人の期待には全く沿わない内容なので注意のこと。

とは言え、純粋に読み物として見た場合には、かなり面白い。

政治には全く疎いので、「抵抗勢力」と言うと、なんとなく官僚を想像していたのだが、本書によると、官僚が抵抗勢力だったのは初期だけで、あとはずっと自民党内の反対勢力とやりあっていたようだ。また、田中真紀子外相の更迭事件や外務省の日本国よりも相手国の立場に立って外交を進めようとする体質、防衛庁のすぐ腰が引ける性格や情報漏洩癖なども描かれていて、興味深く読むことができた。

自画自賛的な書き方が鼻につかない人は、一読してみてもいいかもしれない。


2007-03-05(Mon) [長年日記] この日を編集

_ /usr/local/sbin/envvarsの存在を知らんかった

markun日記 :: /usr/bin/env は有害?より。

/usr/local/etc/apache22/envvars.d以下に、環境変数を書いた*.envファイルを置いておけば、/usr/local/etc/rc.d/apache22が起動時にセットしてくれるらしい。

頭に

#!/usr/bin/env ruby

が書いてあるスクリプトを動かすのに、apache22に環境変数PATHを書き込んでいた。いた、ダサいなーとは思っていたんだけど。


2007-03-06(Tue) [長年日記] この日を編集

_ SKK by JavaScript

すげー!


2007-03-07(Wed) [長年日記] この日を編集

_ 悲鳴 (ハルキ文庫)(東 直己) 悲鳴 (ハルキ文庫)(東 直己)

中年の悲哀が良い味を出している私立探偵・畝原シリーズ第4弾。

これを飛ばして『熾火』、『墜落』を読んでしまったので、改めて読んだんだけど、非常に面白かった。

ただの浮気調査だったはずが、徐々にストーカー被害やバラバラ死体遺棄事件、そして陰謀へと展開していくストーリーは、まさに畝原シリーズの真骨頂とも言えるもので、ぐいぐい読ませる。

ただ、中盤に現われる「困ったもんだ」が口癖の登場人物の存在意義がちょっと分からなかった。魅力的なキャラクターなので、もう少し深い絡め方もあったと思うんだが。

それにしても、これの続編が『熾火』というのは納得できないよなー。正直、個人的には『熾火』はなしで、『墜落』に続けた方が全体のストーリーとしては良かったんじゃないかと思う。

_ 犬は「しつけ」で育てるな! 群れの観察と動物行動学からわかったイヌの生態(堀 明) 犬は「しつけ」で育てるな! 群れの観察と動物行動学からわかったイヌの生態(堀 明)

文筆家・写真家+動物行動学研究家である堀明氏が、八ヶ岳にある「犬の牧場」にて500日近くにわたって、127匹の犬の群れを観察した結果をベースに、犬の本当の生態に迫った力作。

犬の飼い方、しつけ方といった類の本を手に取ったことがあれば、

  • イヌが散歩のときにリードを引っぱるのは、自分の優位性を主張したいから
  • 飼い主の手を咬むのは、飼い主をバカにしているから
  • 飼い主に飛びつくのは、イヌが威張っている表れ
  • イヌは、人間の家庭のボスになりたがる
  • イヌ社会の上下関係は絶対だ

というような記述を読んだことがあると思う(上記は、いずれも第1章『「犬の常識のウソ」』より引用)。本書はそんな一般に流布する犬のしつけ方をばっさりと切り捨てる。なかなか革命的な内容だ。

著者は犬の育て方・飼い方について、いくつかの主張をしているが、一番のキモは、p.193

子イヌが社会性を完璧に取得するには、生後三ヶ月かかる。(中略)もちろん親きょうだいと同じ犬舎で暮らす必要がある。

というものだろう。社会性を身に付けることにより、犬は人間と自分の違いを理解し、延いては人間社会のルールと文化を学ぶことができるようになるというのだ。初耳の説ではあるが、著者にはフィールドワークに基づくバックグラウンドがあるため説得力がある。

上記の主張は計画性を持って、犬をこれから飼おうとしている人には非常に有益なものだと思う。ただ、運命や出会いというものはなかなか計画通りいかなのが常だ。もう既に成犬になった犬を飼っている人もいるだろう。知人や友人から生まれたばかりの子犬を貰った人もいるだろう。捨て犬を拾った人もいるかもしれない。

そう言った人は本書を読んで、「もう遅いのか」と少々暗澹たる思いにとらわれるかもしれない。

しかし、悲観することなどない。著者はこうも述べている。p.207

しかし、この本を読んだあなたなら、もっと寛大に、そして気楽に考えられるだろう。 うちのワンちゃんは私と仲良くやれれば、それでOK──と。

ありったけの愛情を飼い犬に注いでやれば、それで良いのだ。

これから犬を飼おうと計画している人はもちろんのこと、犬を飼っている人も一読の価値がある一冊だ。


犬は「しつけ」で育てるな!

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書評/サイエンス


2007-03-09(Fri) [長年日記] この日を編集

_ オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史(パトリック・マシアス/町山 智浩) オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史(パトリック・マシアス/町山 智浩)

やっぱり餅は餅屋だなと本書を読んで思った。

本書は、アメリカ人のアニメ/特撮/マンガ・オタクである著者がアメリカのオタク文化について様々な視点から解説したものだ。

アメリカでのマンガの普及について語ったものとして萌えるアメリカ 米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか(堀淵 清治) 萌えるアメリカ 米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか(堀淵 清治)があって、以前読んだこともあるのだが、あくまでもビジネス視点で、アメリカにおけるサブカルチャーへの言及がほとんどなく、個人的に物足りない内容だった。やはり、著者がビジネスパーソンであって、オタクではないところが、その理由だろう。

しかし、その点、本書は、著者が筋金入りオタクなのに加えて、編・訳を担当しているのは映画評論家*1として有名な町山智浩なので、まったく抜かりがない。

  • なんでアメリカ人はアニメ柄のTシャツが好きなのか?
  • アニメのパフィーはなんでアメリカで人気があるのか?

という疑問を持ったことがある人や

  • 『ウルトラマンセブン』、『ガッチャマン』、『宇宙戦艦ヤマト』*2はメチャクチャに改悪されて放送された。
  • 『ゴライオン』は黒人に人気があった。
  • 『ピンク・レディー・ショー』は史上最悪のテレビ番組だった。
  • 『ダンガードA』、『コンバトラーV』、『勇者ライディーン』は、一緒くたにされて、一本のアメコミとして売り出された。
  • 『マクロス』のリン・ミンメイ役の飯島真理はアメリカ在住。
  • 『ダーティペア』はオリジナルとは似ても似つかないアメコミに進化した。

あたりに「面白そうだ」と感じる人であれば、必ず楽しめるはずだ。

そんな笑えるエピソードの中でも、軍ヲタ的に楽しかったのが、北カリフォルニア在住のナチ大好きっ娘、Dちゃん(15歳)のエピソード。小学5年生で国家社会主義に目覚めて、現在の夢はNASAへの就職とのこと。目指せ、フォン・ブラウン! ということだろうか。親衛隊の制服を着たDちゃんの写真(ブランコに乗って!)も掲載されていて、少女+親衛隊制服という、日本の軍オタ向け同人誌そのまんまな姿なのが非常に笑えた。

ちなみに、Dちゃんは、日本について尊敬しているとのことで、その理由として

「日本は秩序正しい倫理と価値観を守っている国ですから。第三帝国と同盟を結んだ枢軸国だったことがその証拠ですよ」

と述べている。やっぱり、「次に戦争する時は、イタ公抜きで」と思っているんだろうか(笑)。

参考リンク

愚仮面 - 「オタク・イン・USA」で紹介されたサイト一覧
本書に掲載されているサイト一覧

*1 『映画秘宝』の、と言った方がいいだろうか?

*2 よく松本零士が黙っていたもんだと思うが。まぁ、その頃はおとなしかったんだろうな。


2007-03-11(Sun) [長年日記] この日を編集

_ 狙撃手(スナイパー)(ピーター ブルックスミス) 狙撃手(スナイパー)(ピーター ブルックスミス)

いかなる状況においても、狙撃とは、はっきりした分別をもって、冷静に人を殺す技である。(p.180)

狙撃手の実態に技術、心理、装備、歴史など多方面から迫ったものが本書である。

同じく狙撃手を取り上げた類書として、 戦場の狙撃手(マイク ハスキュー) 戦場の狙撃手(マイク ハスキュー)があるが、あちらが主に狙撃手の歴史に重きを置いているのに対して、本書は狙撃手の心理や訓練方法、実戦で使われるテクニックなどメインテーマとしている。別の言い方をすれば、狙撃手を中心に戦場の歴史を俯瞰したものが『戦場の狙撃手』であり、スコープを覗き標的に狙いを定める狙撃手自身に注目したのが本書と言えるだろう。

特筆すべき点として、本書では、『戦場の狙撃手』では取り上げられなかった*1警察組織のおける狙撃手について1章(第3章「こちら了解」)を割り当てていることが挙げられる。

軍と警察における狙撃手の心理面・技術面での相違の他、ガラス越しの狙撃についての解説も非常に興味深いのだが、以前から疑問だった、人質に銃を突きつけ、盾にした犯人への狙撃についての解説がされていたのは個人的な収穫だった。

疑問だったのは、上記のような状況で犯人を狙撃した場合、たとえ、それが脳に対する一撃だったとしても、犯人は反射的に引き金を絞ってしまうのではないか、という点である。本書では『警察のライフル』の著者、リチャード・フェアバーンの言葉として以下のように述べている。

肉体は弾丸を受けることによって緊張が高まるのではなく、和らぐものだ。中枢神経系への突然の衝撃は、結果的に筋肉を緩めるので、発作的に引き金を引くなどということはないというのが、多くの神経学の専門家に共通する意見だ。(p.160)

『戦場の狙撃手』と同様に、豊富な写真が掲載されているのが本書の特徴であるが、個人的に衝撃を受けたのが、p.49のボスニア内乱下のサラエボのアパートにおいて狙撃体勢を取っている22歳の若き女性ナディアだ。顔のほぼ半分がスコープに隠れているため、はっきりとは分からないが、整った顔立ちのようである。*2そのきれいに口紅を引いた唇と狙撃という行為のギャップに、なんともやるせない思いがしてしまう。

最後に狙撃手の孤独について語った一節を引いておこう。

引き金を引き、敵の命を奪うことは、彼らの命を自らの手に握ることだ。そして、狙撃手は、彼らの最後の一瞬の光景を、一生背負っていかなければならない。(p.237)

『戦場の狙撃手』とともに、狙撃手について興味を持つ人にお薦めしたい一冊である。

*1 タイトルが『戦場の──』であるから当たり前と言えば当たり前ではあるが

*2 眼鏡を掛けていて、世が世なら「メガネっ娘」と形容されるだろう。

_ 自閉症裁判―レッサーパンダ帽男の「罪と罰」(佐藤 幹夫) 自閉症裁判―レッサーパンダ帽男の「罪と罰」(佐藤 幹夫)

最近、刑法39条についての削除を求める世論の声が大きくなっているように思う(参考:責任能力)。

個人的には、罪は罪として裁かれなければならず、そうしなければ、正義は為されないと考えているので、刑法39条削除には賛成するのだが、では、本書で取り上げられているような自閉症による固有の世界を持つ人々を裁くにあたって、健常者の視点のみで裁くことが完全に正しいのかと問われれば、正直、答えに窮してしまう。

2001年4月に浅草で起きた女子短大生刺殺事件。当初、事件についての報道は、当初、犯人の男がレッサーパンダ帽をかぶっていたという異常性から加熱するが、男が養護学校出身ということが判明した途端、沈静化、マスコミは言葉少なに男の責任能力の有無のみを報道するようになる。

そんな中、4年に渡る裁判を傍聴し、被害者・加害者双方の関係者に取材をし、事件の真実に迫った渾身のルポルタージュが本書だ。

著者は元・養護学校教員という経歴で、本人も述べている通り「いわば福祉サイドの人間」(p.30)である。しかし、著者が本書で主張しているのは、減刑や無罪の必要性ではない。あくまでも罪は罪として認め、その上で、障害者の視点を理解しつつ、その罪が裁かれることなのだ。

取材を通じ、著者は、19歳のいう若さで命を奪われた被害者の家族の嘆きに苦悩し、病魔をおして家計を支え、25歳で亡くなった加害者の妹を知り、怒りを覚える。著者の加害者に対する怒りが印象深かったので引用しておく。

兄妹の二つの人生をこうして並べると、いまさらながら言葉をなくす。ここにO・Mさんの二〇年に満たない生を重ねるなら、改めて激しい怒りが湧き起こってくるのが抑えがたい。徒労感さえ感じる。この男にいま与えられる生は、O・Mさんと妹という二人の女性の、これ以上のない犠牲の上に成り立っている。そのことがなぜ理解できないのか。福祉がどうした司法がどうした、という以前の問題ではないか。そんな気さえしてくる。(引用者注:O・Mさんとは被害者のこと)(p.296)

また、著者は、知的ハンディを持つ人々が犯罪(その8割が無銭飲食や無賃乗車、置き引き、自転車盗などの微罪である)を犯した際、供述が強要もしくは捏造された後、そのまま裁判にかけられ服役、出所後も福祉の網から毀れ落ちるという、「孤立─犯罪─有罪判決─受刑─出所─孤立……」のスパイラルが現実であることも指摘している。著者はその対策として、

取調べがビデオ収録などによって可視化されること、テープ収録されること、取調べ段階において弁護人もしくは、事情をよく知る福祉関係者などの立ち会いを認めること。出所後の福祉支援を制度化すること。(p.241)

を挙げている。再犯を防止し、このような傷ましい事件を二度と起こさないためにも、出所後の福祉支援は国を挙げて行なうべきであろう。

また、この裁判では供述調書の正当性が争われた経緯がある。裁判の短期化が被害者救済の一つであるならば、少なくとも供述調書の正当性について争う可能性が低くなる分、裁判の短期化には寄与するであろうし、鹿児島で起きた公選法違反を警察が捏造したとされるような事件を防止する意味でも、取調べの可視化は強く進められていくべきだろうと思う。

なお、本書は男が控訴を決意するところで終わっているが、本書の出版直後、2005年4月に控訴を取り下げ、結審している。

2009年には裁判員制度が開始される予定になっている。我々自身が本書で取り上げられたような障害を持つ被告を裁く立場になる可能性もある。そのような時のための考えの一助として、ぜひ読んで欲しい。

_ 図書館の廃棄雑誌リサイクルに行ってきた

「本の雑誌」のバックナンバーを貰ってきた。うはうは。

「SFマガジン」のバックナンバーもあったんだけど、ほとんど読んだからいいやと、スルー。コレクションするにしても重いし、場所食うし、まぁ、仕方ないやね。

_ technobahn.comのEFTが動かなくなっていたので修正

--- technobahn_com.yaml.orig Sun Mar 11 17:36:41 2007
+++ technobahn_com.yaml   Sun Mar 11 17:39:49 2007
@@ -1,4 +1,5 @@
 #upgrade http://www.technobahn.com/index2.xml
 author: Masafumi Otsune
 handle: http://www\.technobahn\.com/cgi-bin/news/read2\?f=\d+
-extract: (<center><table width=\d+ height=\d+ border="0"><tr>.*?)<hr style="
+extract: <td bgcolor="#ffffff" height="10" valign=top>(.*?)<div id="layer-zoomin" style="position:absolute; z-index:2; visibility: hidden">
+extract_capture: body

とりあえず、手元の環境では動いているような気がする。

_ Gmailで「アカウントはロックされています」ktkr

Plaggerで送っておいたblogのエントリを読んでいたら、突如、

お客様のアカウントで不正な操作が検出されました。Gmail ユーザーを不正行為から保護するため、このアカウントは 24 時間無効になっています。

だって。1時間くらいで1000通くらい読んだからかな?

お客様のアカウントで不正な操作が検出されました。:Gmail大技林によると、数時間で解除されることがほとんどということらしい。

今日は早めに寝た方がいいということかも知れん。

と思ったら、もう直った

なんだったんだろう。

_ 成毛眞氏が筋金入りの活中だったとは知らんかった

トンで本を計算するっていうのも凄いが、高校時代の読書はSF一辺倒だっというのも意外。

行き帰りのタクシーのなかでもずっと読んでいますよ。行き帰りタクシーにしているのも、本を読むためです。電車の乗り換えで読書を寸断されるぐらいだったら、5000円払って本を読んでいる時間を1時間取った方が得じゃないですか。

よく車酔いしないなーと思ったりもするんだが、本が読みたい貧乏人は、超遠距離通勤しろってことか(違う)。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ otsune [http://plagger.org/trac/changeset/1935 動作確認してコミットしました]

_ poppen [なんだか自信がなくて、もう少し手元で確認してからTBをotsuneさんに送ろうかなと思っていました。素早いご対応どう..]


2007-03-12(Mon) [長年日記] この日を編集

_ BA‐BAHその他(橋本 治) BA‐BAHその他(橋本 治)

S-Fマガジン 2007年 03月号 [雑誌] S-Fマガジン 2007年 03月号 [雑誌]の書評欄で紹介されていたので読んでみた。実は初・橋本治だったりする。

収録されている短篇のほとんどは、正直、読む価値があるのかどうかも分からないような感じのものばかりなのだが、

  • 組長のはまったガンダム
  • さらば! 赤い彗星のシャア──「組長のはまったガンダム」(後編)

だけは別格。

暴力団の組長が息子と一緒に観ていたガンダムに、息子そっちのけでハマってしまうというストーリーで、アムロと自分の幼少期をオーバーラップさせたり、ガンダムの世界観を極道の世界を通して解釈したりと、ガンダムのストーリーを知っている人であれば、ニヤニヤできること受け合いのデキ。ガノタならずとも一読を強くお薦めする。

まぁ、上記2篇を合わせても30ページにも満たないので、図書館で借りるか、立ち読みで済ませた方がいいかも知れない(あ、立ち読みはまずいか)。


2007-03-14(Wed) [長年日記] この日を編集

_ インテリジェンス 武器なき戦争 (幻冬舎新書)(手嶋 龍一/佐藤 優) インテリジェンス 武器なき戦争 (幻冬舎新書)(手嶋 龍一/佐藤 優)

元NHK特派員で外交ジャーナリストの手嶋龍一と、鈴木宗男事件に関連して逮捕された『ラスプーチン』こと佐藤優の対談。

非常に面白くて、興味深いページに付箋を付けていったら、飛び出した付箋がすごい量になってしまった。

山ほど面白いところがあって、詳しくは読んで欲しいんだけど、とりあえず、少しだけ挙げておくと、

  • 1991年の湾岸戦争勃発直前に、イラクとイランの密約を掴んだのは、当時の在テヘラン日本大使館。
  • 大韓航空機事件で、日本がソ連に傍受した通信を突き付けて、撃墜を認めさせたというのは、当時の後藤田官房長官が作り上げたカバーストーリー。
  • 日本のカウンターインテリジェンス能力は非常に高い。
  • ラスプーチンがロシア人に送った贈り物(要は賄賂)の中身。
  • イスラエルには首相に提出されたレポートについて、どんなことでもいいから難癖をつける「悪魔の弁護人」という役職がある。
  • 日本のインテリジェンス能力を高める第一段として、日米の関係は、旧東ドイツと旧ソ連の関係を目指すべきだ。
  • 「命のビザ」で有名な杉原千畝は、インテリジェンス世界の住人。

という感じ。

ちなみに、対談している二人についてid:ma2さん

この二人変すぎ。

と書かれているが、本当に、この二人は変で、読んでいて何度か吹き出しそうになった。

まえがきで、佐藤優は2人の関係について「お互いに少し棘のある情報戦を仕掛けたこともあった」と書いていて、「あんたら、一体、何者なんですか?」とツッコミを入れたくなったり、手嶋が、情報(インテリジェンス)世界の闇の中に分け入った時のことについて、

ふと顔をあげると、そこにラスプーチンの、あの大きな眼が山猫のように光っている。(p.16)

と言えば、佐藤も

私のほうも、何回か手嶋さんの歌舞伎役者のような流し目を見たような気がします。テルアヴィブから成田に帰ってきたときなどに、どういうわけか背筋に手嶋さんの視線を感じることがありましたから。(同じくp.16)

と返すという感じで、最高におかしい。絶対、自分たちのセリフに酔っているよ、このオッサンたちは!

たぶん、プライベートでも笑える人たちなんだろうなぁ。

これだけ内容が濃くて、777円(税込)というのは非常にコストパフォーマンスが高いと思う。国際情勢、外交、諜報戦といったものに反応してしまう人に強くお薦めしたい一冊。


2007-03-16(Fri) [長年日記] この日を編集

_ acts_as_bitsが動かなくてしばらく悩んだ

本家舞波版のどちらも。

で、しばらく悩んで、インストールしてあるバージョンを確認したらrails-1.2.1だった!

1.2.3にアップデートして解決。

_ acts_as_bits、すげー

権限管理が1カラムだけで済むなんて、便利すぎですよ。

あとから権限を追加するのも楽々だし。

参考:acts_as_bits ノススメ


2007-03-17(Sat) [長年日記] この日を編集

_ スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術(大橋  悦夫/佐々木 正悟) スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術(大橋 悦夫/佐々木 正悟)

去年の半ばあたりから、個人的にちょこちょこLifehackを試していて、その中でもGTDはお気に入りの一つなのだが、ここ最近少しダレ気味で、タスクリストに「常連タスク」が残ってしまう状態が続いていた。

そんな訳で、自分のやっている手法の再確認の意味も込めて、Lifehack系のTipsを集めた本書を読んでみたのだが、「なるほど」と思えるものが多く、モチベーションを上げる意味でも非常に役に立った。

本書では各Lifehackを

  1. まず「取りかかる」気持ちを起こす
  2. 「段取り」を決めてスピードを上げる
  3. スピードアップにつながる「やる気」を引き出す
  4. 作業の時間をスライスして管理する
  5. 自分の今の仕事環境をテコにする
  6. 1つの「原則」を決めて作業中の迷いを断つ
  7. 「習慣の力」を最大限に活用する
  8. 「アイドルタイム」(待ち時間)を減らす
  9. とにかく「ゴール」までたどり着く

の章に分類した上で、やる気を回し続けるための「スピードハックス」として紹介している。

それぞれのTipsは、2〜4ページとコンパクトにまとまっていて読みやすい上、著者たちの経験や心理学的に裏打ちされた内容となっているので、Lifehackに対して、いまいちノリの悪い、上司や同僚にも紹介しやすい内容となっている。

読み終えて思ったのは、本書は書籍として出版されたことに価値があるということだ。

まず、ブログと書籍では読む時の集中度が違う。著者たちの一人が開設しているブログ、「シゴタノ!」をたまに読んでいるので、本書に掲載されているLifehackのいくつかは既に読んでいるはずなのだが、他のブログと一緒に読んでいる所為か、あまり頭に残っておらず、残っていたとしても実践するまでのモチベーションが持てなかった。その点、まとまった書籍だと、通勤電車で読んだ(=他に気を散らすものがない)ということもあって、非常に集中して読むことができ、実践するための「やる気」を持つこともできた。

また、他の人間(たとえば、先に挙げた上司や同僚)にLifehackを紹介したい場合にも書籍という媒体は有効だ。いくら、こちらが「『シゴタノ!』を読んでみて」と言ったところで、Lifehackの価値を理解していない人間にとっては、ブログを開いて、一エントリーずつ読んでいく、というのは時間もエネルギーも必要なことだけに、そのままスルーされてしてしまうことが可能性が高い。しかし、書籍であれば、「今話題のビジネス書です」とうまくダマして(?)読ますことが可能なので、Lifehackを会社全体に普及させることも場合によっては可能となるだろう。

そんな訳で、Lifehack初心者はもちろんのこと、既にLifehackを実践している人が自分の知識を再確認するためや新しい知識を得てモチベーションを上げるため、また、Lifehackに興味のない上司や同僚への啓蒙の書としてもお薦めできる一冊だ。

なお、本書を読了後、モチベーションが上がったところで、さっそく、

  • タスクの細分化
  • タスクの名称変更
  • 絶対やらないタスクの消去

等、紹介されていた手法でタスクリストの整理をしたことも、あわせて報告しておく。


スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術

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書評/IT・Web


2007-03-18(Sun) [長年日記] この日を編集

_ /usr/sbin/freebsd-updateをfreebsd-updateした

会社のサーバ1台がSMPカーネルで動いていて、/usr/sbin/freebsd-updateに不具合が見付かったので、以下の手順でupdate。

# freebsd-update fetch
# freebsd-update install

上記の手順でfreebsd-updatを更新してから再起動。

再起動後、もう一度、

# freebsd-update fetch
# freebsd-update install

で、更新されていたkernel等をupdateして、その後、再起動。

以上で終了。

参考:ベースに取り込まれたFreeBSD Updatesクライアントに不具合

_ 極道めし 1 (1) (アクションコミックス)(土山 しげる) 極道めし 1 (1) (アクションコミックス)(土山 しげる)

「本の雑誌」で書評を書かれていた米光一成氏のこどものもうそうblogで推薦されていたので読んでみたのだが、これはすごい!

ストーリーは地味の極み。

刑務所の同じ房の囚人たちが、年に一度の楽しみである、おせち料理から好きな一品を貰える権利を獲得するため、シャバで食べた旨いもの話を順繰りにしていく。その話を聞いて、思わず喉を鳴らしてしまった人数が一番多かったものが優勝。

たった、これだけ。だが、これだけなのにも関わらず、語られる飯がホントに旨そうなこと。読んでいる人間も思わず喉を鳴らしてしまいそうになる。個人的には牛スジが食べたくなった。

地味なストーリーをこれだけ面白く描けるというのは凄い才能だよなーと感心しきり。

グルメマンガに限らず、面白いマンガを読みたい人にはお薦めできる一冊。

_ 女王たちのセックス(エレノア・ハーマン) 女王たちのセックス(エレノア・ハーマン)

中世から現代までの、愛のない結婚を強いられ、世継を残すための「産む機械」としての機能ばかりを求められたプリンセスたちと、その愛人たちが織り成す悲喜交々のエピソードを集めたものが本書だ。

なんとも扇情的なタイトルではあるが、官能的な要素もあまりない。そのため、そちら方面を期待する人には物足りない内容かも知れないが、タブーとして隠された歴史というものが、なんとも面白く、夢中になって読んでしまった。ただ、本書の面白さは、一般的なゴシップとは違う種類ものだ。その理由を歴史的事実を淡々と綴っていく筆致などに見ることもできると思うが、一番大きなものは、やはり、体制を維持するための犠牲となったプリンセスたちへの著者の同情に満ちた視点であろうと思う。

さて、本書は下記の章立てで構成されている。

  • はじめに 堂々たる王と気高き女王
  • 第1章 王宮の塀の向こう側
  • 第2章 女王たちの愛人
  • 第3章 中世のクイーンとヘンリー八世の妻たち
  • 第4章 黄金の鳥かごからの脱出―一七世紀
  • 第5章 奔放な女帝たち―一八世紀ロシア
  • 第6章 権力と政治と情熱―一八世紀ヨーロッパ
  • 第7章 大胆にして不名誉な女王―一九世紀
  • 第8章 男女同権を求めての闘い―一九世紀末から二〇世紀へ
  • 第9章 ダイアナ―恋多きプリンセス
  • おわりに 姦通と国家の利害

どの章も面白かったのだが、強いてお薦めの章を挙げると、自分たちを取り囲む宮廷生活という「鳥かご」から脱出しようとしたプリンセスたちの物語「第4章 黄金の鳥かごからの脱出」と、エカテリーナ一世をはじめとするロシアの女帝たちのエピソードを綴った「第5章 奔放な女帝たち」(ピョートル大帝の変人ぶりも凄い!)、それから事故死を遂げ、未だに陰謀説が囁かれるダイアナ元皇太子妃の結婚から最後までを扱った「第9章 ダイアナ」だろうか。

笑えるという点では、「第4章 黄金の鳥かごからの脱出」に収められた、ルイ十四世の従妹でトスカーナ公子コジモ・デ・メディチと結婚した美少女マルグリート・ルイーズのエピソードが僅か7ページでありながら、断トツだった。

1661年、16歳のマルグリートは、コジモとの結婚を強いられるのだが、その結婚を終わらせるため、様々な抵抗をする。多数の愛人を持ち不倫三昧の生活を送る、夫の金を湯水のように遣うなんていうのは、まぁ、本書ではありふれた話(!)ではあるのだが、マルグリートの場合、その暴れぶりが凄い。

  • マルグリートの贅沢三昧な生活に嫌気がさした義父であるフェルディナンド大公は、罰として、彼女が祖国フランスよりお供に連れてきた女官を帰国させるという挙に出る。しかし、それに黙っているマルグリートではない。大公の宝物から黙って高価な宝石を数点持ち出し、帰国する女官に渡すという形で復讐をする(宝石をフランスより返還して貰うため、大公は非常に苦労したとのこと)。
  • 大公が、マルグリートに40人を超える兵士を監視につけ、常に目は離さないように命じたところ、マルグリートは、兵士たちの息が上がり、脇腹の痛みに身をよじるほどの早さで何時間も歩き続けるという形で抵抗する。
  • あまりの暴れぶりに、夫とルイ十四世が折れ、パリの修道院で暮らすことを条件に、フランスへの帰国を認めたところ、マルグリートは修道院に放火した上、片手に斧、片手にピストルと言う姿で、修道院長を回廊に追い込み、殺してやると罵倒する。

それ、なんてマンガのツンツン・キャラ? という感じで、周りの人間には堪ったものじゃなかったと思うが、最高におかしかった。

本書の面白さは太鼓判を押すところだが、あえて不満点を上げておくと、登場人物の系譜図がないということ。ヨーロッパの王族の血縁関係はどうにも複雑で、正直、把握するのに骨が折れる(誰々の従兄と結婚した誰々の妹、みたいな感じ)。編集するのも大変だとは思うが、読者のリーダビリティを向上させる意味でも系譜図が欲しかった。

本書は、読書好きや歴史好きの人には文句なくお薦めできる一冊だ。多少値段が張るのが玉に瑕だが、機会があれば、タイトルに負けることなく、ぜひ手にとってほしい。


女王たちのセックス 愛を求め続けた女たち

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書評/サブカルチャー


2007-03-20(Tue) [長年日記] この日を編集

_ WPAを使って無線LANに接続@6.2R

久しぶりにFreeBSDで無線LANを使おうとしたところ、繋らなかくて、少しハマったので、6.0Rの頃に書いた日記のアップデートも兼ねて作業記録をメモ。

環境は下記の通り(6.0Rの頃とほとんど変わっていない)。

  • 使用PC:DELL Latitude D610(IntelPRO/Wireless 2200BG内蔵)
  • 使用AP:NEC Aterm WR7950S
  • 無線接続:IEEE802.11g
  • 暗号:WPA-PSK(AES)

portsからnet/iwi-firmware-kmodをインストール(2200BGなので)。6.0Rの頃に使った、net/iwi-firmwareは6.2Rでは使えないので、インストールしてある場合は、あらかじめアンインストールしておくこと。

portinstall /usr/ports/net/iwi-firmware-kmod

/boot/loader.confに下記を追記。

if_iwi_load="YES"
wlan_load="YES"
firmware_load="YES"
wlan_wep_load="YES"
wlan_tkip_load="YES"
wlan_ccmp_load="YES"
wlan_xauth_load="YES"
wlan_acl_load="YES"

/etc/rc.conf(.local)に下記を追記(DHCPを使う場合)。

ifconfig_iwi0="WPA DHCP"

なお、6.0Rの時に書いた

iwi_enable="YES"
iwi_mode_iwi0="bss"

はもういらないらしいので削除しておくこと。

/etc/wpa_supplicant.confを下記の内容で作成。

network={
        ssid="ほげ"
        scan_ssid=1
        key_mgmt=WPA-PSK
        psk="ふが"
}

あとは再起動すれば、無線LANに接続されるはず。

6.0Rの頃と変わったところ

とりあえず気付いたことだけ列挙。

  • 無線LANに接続中は、無線LANランプ(WiFiと書いてあるヤツ)が点滅するようになった。
  • 6.0Rの頃は、無線APがSSIDをブロードキャストしないと(隠蔽していると)接続ができなかったが、6.2Rでは問題なく接続できた。これは嬉しい。

2007-03-23(Fri) [長年日記] この日を編集

_ 風邪から回復

ちょっと風邪気味だったところで徹夜をしたら、本格的に風邪を引いてしまいダウン。

38度後半の高熱が続き、21日(せっかくの休日)、22日(会社を一回休み)と寝込むハメになってしまった。インフルエンザだったら長期間会社を休まざるをえず、えれー大変だったので、まぁ、良しとしよう。

ってことで、今日は出社。遅れを取り戻すべく、バリバリ働いた。

それにしても、30越すと、あんまり無理は効かんなぁ。

_ technobahn.comがまた変更されたみたい

続きを読むをクリックしないと、全文が表示されないようになっていた。

technobahn.com用EFTをupdateしたいけれども、俺の力じゃ歯が立たなそうな悪寒。

それにしても、この変更って、もしかしてPlagger除けなんだろうか?


2007-03-24(Sat) [長年日記] この日を編集

_ 安楽椅子探偵アーチー (創元推理文庫)(松尾 由美) 安楽椅子探偵アーチー (創元推理文庫)(松尾 由美)

意識を持った椅子が探偵役を務める(これこそ、安楽椅子探偵!)連作ミステリー短編集。

収録されている作品は

  1. 「首なし宇宙人の謎」
  2. 「クリスマスの靴の謎」
  3. 「外人墓地幽霊事件」
  4. 「緑のひじ掛け椅子の謎」

の四篇。

ミステリーと言っても、件の安楽椅子探偵の所有者となった主人公が小学生で、扱われる事件も、彼の身の回りで起きたささやかなものばかりなので、当然血腥いものなんて一つもなく、全体的にほのぼのした雰囲気だ。

まぁ、正直、「首なし宇宙人の謎」、「クリスマスの靴の謎」あたりは、大の大人が(「30越したオッサンが」と言い換えてもいい)楽しむのには少々ジュブナイル色が強すぎると言わざるをえないが、「外人墓地幽霊事件」から、ぐっと面白さが増してきて、「緑のひじ掛け椅子の謎」はなかなか良い出来と思える作品に仕上がっている。*1

なにかと殺伐とした世の中。小説の中くらいでは、ほのぼのとしたミステリーを味わいたい人にはお薦めできる一冊。

なお、続編の『オランダ水牛の謎』は非常に良い出来なので、そちらを楽しみたい人は、ぜひ、こちらを先に読むことをお薦めする。

*1 作者が作品のバランスの取り方が分かってきたのかなと邪推しないでもない。

_ オランダ水牛の謎<安楽椅子探偵アーチー>(松尾 由美) オランダ水牛の謎<安楽椅子探偵アーチー>(松尾 由美)

意識を持つ椅子が探偵役を務める、連作ミステリー短編集第二弾。

一作目に収録されている作品の幾つかは、「少しジュブナイル色が強いかな」と思わないでもなかったが、こちらは大人でも充分楽しめる作品に仕上がっている。

収録作品は、

  1. 「オランダ水牛の謎」
  2. 「エジプト猫の謎」
  3. 「イギリス雨傘の謎」
  4. 「インド更紗の謎」
  5. 「アメリカ珈琲の謎」

の五篇。

主人公衛と安楽椅子アーチー、それに鈴木老人が推理合戦を繰り広げる、表題作「オランダ水牛の謎」、衛の幼い嫉妬心にほのぼのする「エジプト猫の謎」、今までちらっとしか登場しなかった衛の父親が迷推理を展開する「インド更紗の謎」、そして衛が独力で事件に絡む「アメリカ珈琲の謎」 と、どれも面白いのだが、 個人的には密室ものの「イギリス雨傘の謎」を強く推したい。密室ミステリーとして見ても、非常に良い出来だと思うのだが、コアなミステリーファンの評価はどうなんだろうか。ちょっと聞きたい気もする。

前作と同じく、血腥さは欠片もない作品ではあるが、ミステリーファンにもお薦めできる一冊。


2007-03-25(Sun) [長年日記] この日を編集

_ ジョニー・デップ風のひげ

風邪で寝込んでいた2日間、ひげを剃らなかったら、結構伸びて、ジョニー・デップ風になった(ひげの形だけ)。

「な、な、俺、ジョニー・デップみたいじゃね?」と妻に同意を求めたところ、こっちを見ようともせず「そうだね」との返事。

結局、出社する日に剃った訳だが、長期の休みの間に伸ばしてみるのもいいかなーと、ちと思った。

_ SpecialGenerationでハマる

マスター管理画面を作るのはめんどくさいので、ここはやっぱり舞波氏特製のSpecialGenerationだ! って訳で、SpecialGenerationをインストールして、controllerやview、その他諸々一式をgenerateして、動かしてみたところ、

Localized is not missing constant ViewProperty!

と、つれないエラー。

いちおうエラーメッセージを頼りに、ソースを追ってみるが、やっぱり初心者には訳が分からん。

困ってしまって、グーグルにお伺いを立てたところ、YAizawa's diaryに解決方法が書いてあった。ビバ!


2007-03-27(Tue) [長年日記] この日を編集

_ 藤沢周平の世界 (文春文庫) 藤沢周平の世界 (文春文庫)

藤沢周平の作品って1〜2冊しか読んだことがないんだけど、そろそろ読んでみるのもいいかなと思い、最近、藤沢周平に凝っている妻から指針として本書を借りた。

  1. 様々な人による藤沢作品についての書評(主に書籍解説を掲載)
  2. 対談・インタビュー
  3. 作者年譜

という構成なのだが、書評が同じような文句のものが多くて退屈だった。もうちょっと切れ味の鋭い書評が読みたいですよ。

興味深かったのは、先日逝去した城山三郎との対談で、藤沢が『「君が代」にはいまもって引っかかるものがある』としながらも、次のように述べている点。

ただ、いま学校で「日の丸」「君が代」のときに、立たない生徒がいるでしょう。あれは気になりますね。戦後日本の教育の中で、その二つについてどういう教育がされてきたにしろ、一応は、国旗、国歌とされているものなのですから、マナーとして立って敬意を表することは必要だと思います。外国に行ったらそんな無礼なことは通りませんよ。

まぁ、昨今なにかと揉めている「君が代」「日の丸」問題ではあるが、「マナーとして起立する」というのは現実的でなかなか良い落とし所ではないかと思うのだが、どうだろうか。まぁ、左の人はこんなんじゃ納得しないのかもしれないが。

さて、次は実際に、なんの藤沢作品から読むかなんだけども、海坂藩大全 上 (1)(藤沢 周平) 海坂藩大全 上 (1)(藤沢 周平)あたりからどーんと入ってみるべきか。

_ S-Fマガジン 2007年 03月号 [雑誌] S-Fマガジン 2007年 03月号 [雑誌]

「2006年度・英米SF受賞作特集」の一つとして掲載された『カロリーマン』(パオロ・バチガルピ)が傑作。使役動物が巻くゼンマイ仕掛けが主要な動力源という未来図にぶっ飛びましたよ。

で、S-Fマガジン読者賞1位だった『チップ軍曹』が未読だったのを思い出したので、ヤフオクで落札してあったバックナンバーからS-Fマガジン 2006年 03月号 S-Fマガジン 2006年 03月号を引っ張り出してきて読み。ラストがなかなか良い。

そういえば、ダン・シモンズの『カナカレデスとK2に登る』(2006年9月号所収)がランキングしていていないのが、ちと釈然としない。あれ、すげー面白くなった? いや、投票していない人間がこんなことを書くのは、すげー変なのは分かっているんだけど。


2007-03-29(Thu) [長年日記] この日を編集

_ www/rubygem-mongrel用daemontools runスクリプト

Railsを動かすためににwww/rubygem-mongrelにインストールしたところ、rc.dスクリプトが付属していなかったので、daemontoolsで管理させることにした。

以下、とりあえず書いてみたrunスクリプト。

#!/bin/sh
exec 2>&1
exec envdir ./env \
sh -c '
    exec \
    envuidgid www \
    mongrel_rails start \
        -e "${RAILS_ENV-development}" \
        -p "${PORT-3000}" -a "${IP-0.0.0.0}" \
        -n "${PROCS-2}" \
        -c "${ROOT}"
'

次はwww/rubygem-mongrel_clusterに挑戦したい。

_ Apache + SSL + mod_proxy_balancerのバックエンドでMongrelまたはlighttpdを動かす

フロントエンドでApache + SSL + mod_proxy_balancerを動かして、そのバックエンドで、mongrelなりlighttpdを動かすという構成は結構多いんじゃないかと思うんだが、そのような環境を手元で試していてハマったのでメモ。

ハマったところは、バックエンドのRailsで

redirect_to :action => 'list'

という感じでredirect_toを使っていると、Railsはhttpsで接続されているということは分からないので、httpにリダイレクトされてしまうという問題。

色々とググってみたところ、Mongrel and Rails behind Apache 2.2 and SSLに解決方法が書いてあった。

簡単に書くと、フロントエンドのApacheで

ProxyPass / balancer://rails/
ProxyPassReverse / balancer://rails/
<Proxy balancer://rails>
    RequestHeader set X_FORWARDED_PROTO 'https'
    BalancerMember http://192.168.0.1:3000
</Proxy>

ってな感じで、

RequestHeader set X_FORWARDED_PROTO 'https'

を書いてやればOKってことらしい。

試してみたら、本当に大丈夫だった。ビバ!


2007-03-31(Sat) [長年日記] この日を編集

_ technobahn.comの「続きを読む」に対応して頂いた!

こないだの件の続き。

emasakaさんから、technobahn.comのEFTで「続きを読む」に対応した、とのTBを頂いた。

うひょー、これは凄い。emasakaさん、どうもありがとうございます。m(_)m

なるほど、こう書けばいいのか。勉強になるなー。


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