ぽっぺん日記@karashi.org
2007-05-01(Tue) [長年日記] この日を編集
_ AutoPostgreSQLBackup
AutoMySQLBackupをMySQLのバックアップに使っているんだけども、PostgreSQLでも同じようなものがないかなーとググってみたところ、その名もAutoPostgreSQLBackupというスクリプトを見付けた。
ただ、2005年から更新されていなくて、多少古い感じなので、さらにググってみたところ、AutoMySQLBackup2.5相当の非公式(?)パッチを見付けた(本家は2.2相当)。
非公式版を落としてきて、手元のFreeBSDで動かしてみたところ、どうやらLinuxを想定しているらしくうまく動作しなかった。と言う訳で、とりあえず、FreeBSDで動作するように下記のパッチを作成。
Index: autopostgresqlbackup
===================================================================
--- autopostgresqlbackup (revision 271)
+++ autopostgresqlbackup (working copy)
@@ -1,4 +1,4 @@
-#!/bin/bash
+#!/usr/local/bin/bash
#
# PostgreSQL Backup Script Ver 1.1
# http://autopgsqlbackup.frozenpc.net
@@ -31,7 +31,7 @@
#=====================================================================
# Username to access the PostgreSQL server e.g. dbuser
-USERNAME=postgres
+USERNAME=pgsql
# Password
# create a file $HOME/.pgpass containing a line like this
@@ -242,7 +242,7 @@
#=====================================================================
#=====================================================================
PATH=/usr/local/bin:/usr/bin:/bin:/usr/local/postgres/bin:/usr/local/pgsql/bin
-DATE=`date +%Y-%m-%d` # Datestamp e.g 2002-09-21
+DATE=`date +%Y-%m-%d_%Hh%Mm` # Datestamp e.g 2002-09-21
DOW=`date +%A` # Day of the week e.g. Monday
DNOW=`date +%u` # Day number of the week 1 to 7 where 1 represents Monday
DOM=`date +%d` # Date of the Month e.g. 27
@@ -252,19 +252,19 @@
LOGFILE=$BACKUPDIR/$DBHOST-`date +%N`.log # Logfile Name
LOGERR=$BACKUPDIR/ERRORS_$DBHOST-`date +%N`.log # Logfile Name
BACKUPFILES=""
-OPT="--quote-names --opt" # OPT string for use with mysqldump ( see man mysqldump )
+#OPT="--quote-names --opt" # OPT string for use with mysqldump ( see man mysqldump )
# Add --compress mysqldump option to $OPT
if [ "$COMMCOMP" = "yes" ];
then
- OPT="$OPT --compress"
+ OPT="$OPT -Fc --compress"
fi
# Add --compress mysqldump option to $OPT
-if [ "$MAX_ALLOWED_PACKET" ];
- then
- OPT="$OPT --max_allowed_packet=$MAX_ALLOWED_PACKET"
- fi
+#if [ "$MAX_ALLOWED_PACKET" ];
+# then
+# OPT="$OPT --max_allowed_packet=$MAX_ALLOWED_PACKET"
+# fi
# Create required directories
if [ ! -e "$BACKUPDIR" ] # Check Backup Directory exists.
@@ -363,7 +363,7 @@
# Hostname for LOG information
if [ "$DBHOST" = "localhost" ]; then
- DBHOST="`hostname -f`"
+ DBHOST="`hostname`"
HOST=""
else
HOST="-h $DBHOST"
@@ -371,7 +371,8 @@
# If backing up all DBs on the server
if [ "$DBNAMES" = "all" ]; then
- DBNAMES="`psql -U $USERNAME $HOST -l -A -F: | sed -ne "/:/ { /Name:Owner/d; /template0/d; s/:.*$//; p }"`"
+ #DBNAMES="`psql -U $USERNAME $HOST -l -A -F: | sed -ne "/:/ { /Name:Owner/d; /template0/d; s/:.*$//; p }"`"
+ DBNAMES="`psql -U $USERNAME $HOST -l -A -F: -t | sed -e "/:/ { /Name:Owner/d; /template0/d; s/:.*$//; }"`"
# If DBs are excluded
for exclude in $DBEXCLUDE
@@ -567,7 +568,7 @@
cat "$LOGFILE"
echo
echo "###### WARNING ######"
- echo "Errors reported during AutoMySQLBackup execution.. Backup failed"
+ echo "Errors reported during AutoPostgreSQLBackup execution.. Backup failed"
echo "Error log below.."
cat "$LOGERR"
else
mysqldumpのオプションがまんま残っていたりして、なんだか作者も使っていないんじゃないかと思われる節もないではないが、とりあえず手元の環境では動いている。
今のところ、dailyバックアップまでしか想定されていないので、hourlyバックアップの機能も追加したいところ。
_ 民間刑務所で Ruby によるソフトウェア開発者を養成、アウトソーシング業務を
これは凄い。
開発言語には、教育工数が低いフレームワークを持つ Ruby を採用するとのこと。
ここは、ちょっと意味が分からないんだけど、Railsのことなのかな?
2007-05-02(Wed) [長年日記] この日を編集
_ devel/gettext祭り
近頃、えれー忙しくて(言い訳)、/usr/ports/UPDATINGを確認するの忘れていたので、今頃、packagesサーバで
# portupgrade -fpr
を回しはじめた。
_ なんか、連休後半も休めなさそうな悪寒
なんだけども、ずっとpenddingしている自宅の用事(除草剤散布とか)も連休中に片付けたいので、晴れるみたいだし、明日は休むか。
その後が忙しくなりそうだけど。
2007-05-03(Thu) [長年日記] この日を編集
_
ミリタリー・スナイパー―見えざる敵の恐怖(マーティン ペグラー)
「ただ同然で働き、まったく音もたてず、姿も見せずに動きまわり、一発で相手を倒せるほど肉薄できる──そんな機械ができるまでは、我が地位は安泰というわけだ」(ある現役スナイパーの言葉)
1500年代から現在までの、スナイパーの歴史、装備、訓練方法の変遷を解説したものが本書だ。
最近読んだ類書としては、
狙撃手(スナイパー)(ピーター ブルックスミス)や
戦場の狙撃手(マイク ハスキュー)があるが、両者と比較すると、
- 狙撃手のエピソード:少なめ
- 掲載写真:多め
- 銃をはじめとする装備についての解説:非常に多い
と言ったところだろうか。
特に装備の変遷は、非常に詳細。ライフルについても然ることながら、スコープやマウントの解説は前掲の類書にも、ほとんど載っていない事項なので、資料的価値が高いのではないかと思う。
本書は下記の章立てで構成されている。
- スナイパーとは何か
- ライフル銃手の登場 1500‐1854年
- 南北戦争ならびにヨーロッパの戦争 1854‐1914年
- 転機の訪れ―第一次世界大戦 1914‐16年
- 反撃―第一次世界大戦 1916‐18年
- ロシアの狙撃兵と、その戦術 1936‐45年
- ドイツ軍スナイパーと対ソ戦 1941‐45年
- 日米対決―太平洋戦争 1941‐45年
- 西部戦線 1930‐45年
- 限定戦争 1945‐85年
- ヴェトナム戦争―アメリカ没落の元凶
- 21世紀の展望
全般的な印象として、スナイパーの勃興から第二次世界大戦までにかなりの重点が置かれており、それ以後については、あまりページ数が割かれていないので、最近の狙撃手について知りたいと思っている人には少し物足りないかも知れない。
ただ、スナイパーが組織的に戦場に投入される契機となった、第一次世界大戦を解説した
- 『転機の訪れ―第一次世界大戦 1914‐16年』
- 『反撃―第一次世界大戦 1916‐18年』
の二章は、狙撃術とともに、その装備が急速に発展する様子が詳しく語られており、非常に面白かった。スナイパーに興味を持つ人であれば、確実に楽しめるものと思う。その他、第二次世界大戦時の地獄のごとく東部戦線で展開されたスナイパーの戦いについて語った『ロシアの狙撃兵と、その戦術 』(ソ連側には女性スナイパーも多かったと言う)と『ドイツ軍スナイパーと対ソ戦』、また、ノルマンディ上陸後のスナイパーの苦闘を解説した『西部戦線』もお薦め。
ちなみに、他の退役軍人とは違い、ノルマンディで戦った元スナイパーで彼の地を再訪するものは皆無だと言う。本書に掲載されている、そんな元スナイパーの言葉を引用しておく。
「ノルマンディでスナイパーとして戦ったとき味わったあの絶対的な恐怖感は、とても手持ちの言葉では伝えられない。50年間、私が決してあそこに足を向けないのは、それが理由だ。誰でも自分にとっての悪夢の地をわざわざ訪問しようとは思わないだろう。」
その他、本書の内容のうち、個人的に興味深かったことを列挙しておく。
- アメリカでは、銃を乱射した犯人について、マスコミが「スナイパー」という単語を当て嵌め誤用することがあったが、軍の要請で「ライフルマン」という単語を使うようになった。その際、軍は、スナイパー訓練所にマスコミを招待し、偽装して隠れたスナイパーを見付けさせたり(見付けられたものは皆無だった)、その狙撃術を披露したとのこと。「ハッカー」という言葉の誤用を彷彿とさせて興味深い。
- 類書と同様に、いかにスナイパーが敵・味方問わず嫌われる存在であるかが、本書でも示されている。著者が行なった聞き取り調査で、拘束された後、捕虜となった(つまりはそのまま殺害されなかった)スナイパーの確認がとれた人数は、たった1人とのこと。
- 類書では、18世紀のアメリカがスナイパーの勃興期であるとされているが、本書によれば、既に1600年代にはライフル銃が実用化され、欧州で使用されたという。
- 銃身が木などで被われていると、弾丸を撃ち出した際に、銃身が音叉のように一定のピッチで振動する「調和振動」という現象が起こらず、次弾以降の発砲に、初弾と同様の精度が維持できなくなるとのこと。
- 第一次世界大戦時、連合国はドイツ側スナイパーがダムダム弾のような不正規改造弾を使用していると信じていたが、本書によれば、そのような弾丸は、弾道学的特性が変化し、おそらく安定性にも影響が出る可能性があるので、スナイパーが実際に使用していた可能性は低いとのこと。コミックや小説等でスナイパーが弾丸に様々な処理を施す(例えば、先端を切断する、削る、など)場面が時折登場することがあるが、リアリティに欠けるようだ。
- ベトナム戦争当時、米軍のスナイパーは暗視照準器付きのライフルを使用したが、北ベトナム軍(NVA)側も、第二次世界大戦中に、アメリカよりソ連に供給された暗視照準器を、ソ連から供給され、使用していた例もあるとのこと。第二次世界大戦中に、アメリカからソ連に暗視照準器が提供されていたとは知らなかった。
かなり満足のいく内容ではあったのだが、本書の最大の欠点はその値段。大日本絵画から出版された軍事関連書籍の通例ではあるのだが、非常に値段が高く、本書はなんと5,985円(税込)! その分の価値はあるとは思うし、内容が内容だけに飛ぶように売れるということもないと思われるので、仕方がない側面もあるのだが、一読者としては、もう少し安くならないかなーというのが正直なところ。
そんな訳で、少々手を伸ばし難い価格ではあるが、スナイパーに関心がある人には、前掲した類書とともに強くお薦めできる一冊だ。
2007-05-04(Fri) [長年日記] この日を編集
_ 今日は出社
でも、午後からなので、ゆっくりめ。
_ twitter2mixi失敗
最近、全然mixiに日記を書いていないので、1日のTwitterをまとめてMixi日記になげるレシピ を参考に、昨日の夜に、twitterをmixiに流せるようにしてみた。
で、今朝、mixiを確認したところ書き込まれていない。
おかしいなーと思いつつ、crontabを確認したら、
23 50 * * * poppen /usr/local/bin/plagger -c /home/poppen/plagger/twitter2mixi.yaml
てな指定をしていた。これじゃ、いつになっても動かねー。
直したので、今晩は動くはず(たぶん)。
2007-05-05(Sat) [長年日記] この日を編集
_
奇跡の船「宗谷」(桜林 美佐)
「宗谷」が日本初の南極観測船であるということは、よく知られていることだと思うが、「宗谷」が元々、戦前にソ連から発注を受けて建造された砕氷船で、日ソ関係の悪化に伴ない、ソ連に引き渡されず、海軍に 買い取られ特務艦(実質、測量艦)として使用されていたという事実は、ほとんど知られていないのではないだろうか。そんな「宗谷」の知られざる歴史を綴っているのが本書だ。
本書を読んで、「宗谷」が竣工後、40年も使われていたという事実を知り驚いた。その経歴も下記のようなもので凄い。
- 海軍特務艦
- 戦後は引揚船(1万9千人の在外邦人を輸送)
- その後、有人の灯台への補給を任務とする灯台補給船
- 南極観測船
- 救難・教育を任務とする巡視船
特筆すべきは、「宗谷」の運の強さ。太平洋戦争では、潜水艦からの雷撃を受け触雷するが不発だったし、1944年2月17〜18日のトラック島空襲では、在泊の艦船が次々と撃沈される中、「宗谷」は 損害こそ受けるが、沈没はまのがれ、日本への帰還を果たしている。日本帰還後も「特攻輸送」と言われた室蘭・横須賀間の輸送任務や、横須賀への空襲も生き延びている。
40年という長きに渡って現役だったのも、この運の強さがあったからだろうと思わせられた。
また、軍事マニアとしても、個人的に知らないエピソードが多く非常に楽しめた。
たとえば、太平洋戦争中では、
- 測量任務だけでなく、輸送任務の他、乗組員によって陸戦隊が編成され、ブーゲンビル島攻略作戦に投入された
- ミッドウェー島占領後の測量任務のため、ミッドウェー作戦にも参加した
と言うことが語られており、興味深い。
機会があれば、現在「船の科学館」にて余生を送っている「宗谷」を見に行きたいと思わせる一冊だった。
_
和解のために 教科書、慰安婦、靖国、独島(朴 裕河)
韓国の日本研究者が、日韓の間に横たわる
- 歴史教科書
- 従軍慰安婦
- 靖国神社
- 独島(日本名称:竹島)
という四つの歴史問題について和解の道を探っているのが本書だ。
日韓問題を扱った書籍と言うと、日韓問わず、激烈な意見が展開されるのが通例であるが、本書は 日韓両国のナショナリズムに与せず、極めて冷静な筆致で解決策を探っている。
著者は、上記四つの問題を通じて、日韓に渦巻く民族主義が実は紙一重の差でしかないことを 明らかにしていくのだが、日本人としては、自らが気付かなかった点を指摘され、はっとなったのも事実だ。
たとえば、日本国憲法がアメリカから強制されたものであるとして反発 している者が、竹島問題では、日本占領時にGHQが作成した文書を論拠の拠り所にしている点など、確かに皮肉としか 言い様がない。
個人的には、竹島問題については、国際裁判所の裁定を受けるべきだとの意見を持っていたが、著者はこう述べている。
どちらの領土と決められようと、もう一方がそれを受け入れることが決して容易ではない状況である以上、そのとき独島問題は、取り返しのつかない韓日関係の毀損にもつながるはずだ。(p.204)
確かにその通りだろうと思う。「たかが」などと書くと反発を覚える向きもあるとは思うが、あの島に日韓関係を崩壊させるほどの 価値があるとは思えない。双方にとっての妥協点を探る努力が必要になるだろう。
もちろん、全ての人が、本書の内容に全面的に同意が出来る訳ではないと思うし、その必要もないだろう。大事なのは、本書の内容を相手を指弾するための材料にすることなく、 著者の 「被害者の示すべき度量と、加害者の身につけるべき慎みが出会うとき、はじめて和解は可能になるはずである」という言葉を胸に、 まず「見たいものばかり見ようとする」ことを止め、「反省的な拠って過去を振り返る」ための最初の一歩を踏み出すことだろうと思う。
本書は、将来に渡る日韓関係を築くための礎となり得る一冊だと思う。政治的主張の左右に関係なく、ぜひ一読をお薦めしたい。
_
殺された側の論理 -犯罪被害者遺族が望む「罰」と「権利」(藤井 誠二)
犯罪被害者遺族の生の声を伝えた本書は、被害者救済とは何か、正義とは何かを激しく問いかけるとともに、自分が犯罪被害者側、つまり「殺された側」に立つ 可能性が常にあることを否が応でも考えさせられる一冊だ。
本書の第1〜5章では、犯罪被害者遺族となった下記の方々に取材し、その肉声を伝えている。
- 第1章『愛する妻と娘の仇は自分がとる』では、強姦目的の少年に妻子を殺害された本村洋氏
- 第2章『父の無念を晴らすため私は闘い続ける―通り魔殺人・被害者遺族 大鞭孝孔さんの独白』では、「自分の孤独感を世間に知って貰うこと」を目的とした通り魔に父親を殺害された大鞭考孔氏
- 第3章『息子のために阿修羅とならん』では、少年たち壮絶なリンチの末、息子を殺害された青木和代氏
- 第4章『警察に「殺された」息子よ』では、警察の不法行為(のみならず、その後、隠蔽工作を行なっている)により息子を事故死させられた松岡則子氏
- 第5章『殺された側に「時効」はない』では、突如行方不明となった姉を26年も探し続けたあげく、隠し切れなくなった加害者が時効後に出頭し、姉が殺害されていた事実を知った石川憲氏
続く、第6章『「生きて償う」という「きれいごと」』では、国会議員で構成する「死刑廃止を推進する議員連盟」への取材を通じて、犯罪被害者遺族と死刑廃止論者の認識の相違を浮き彫りにし、 第7章『犯罪被害者が求めている本当の支援』では、真の犯罪被害者救済を探っている。
本書を読み、怒りに震えつつ、この世には加害者の死をもってしか裁けない罪と言うものがあることを改めて認識した。 自分が本書に肉声を寄せた遺族のように、残虐な方法で家族を奪われた時のことを考えると、なおさらそう思う。
もし自分がそのような立場に立てば、本書の遺族の多くと同じように、仇を討つことを考えるはずだ。たとえ、野蛮と罵られようと、それが犯罪であったとしても、自分自身にとっては、 それが正義だと信じるからである。しかし、その時点で、自分に守るべきものが存在した場合、自分にとっての真意ではないにしても、加害者を裁くことを国に委ねざるを得ないであろうと思う。その時に望むことは、 ただ一つ。自分が「正義は為された」と感じることができるような罰が与えられることである。つまりは死刑だ。
本書でも死刑廃止を唱える人々が登場する。もちろん、そのような考えを持つことは自由だ。しかし、死刑廃止を唱える人たちは、少しでも犯罪被害者遺族の立場に立つことを、もっと具体的に書けば、 前述したように自分の愛するものが残虐極まりない方法により殺害されることを想像してみたことがある人々がどれだけいるのだろうか。もし、そこまで想像の幅を広げた上で、死刑を廃止すべきだという意見で あるならば、個人的には首尾一貫した意見であることは認める(もちろん、同意はできないが)。
しかし、実際のところはどうだろう。もし、本当に想像したことがあるならな、第1章に登場する死刑廃止シンポジウムの司会者のように、遺族に対して「死刑の問題をどう考えるかは、 その人の人生観が出ますねえ」などという、相手の心情を欠片も考えたことのないような、軽薄極まりない発言などできるものではないだろうし、加害者の弁護人である安田・足立両弁護士の 犯行について主張*1もできる訳ではないだろう。 また、第6章の「死刑廃止を推進する議員連盟」のように「死刑は残虐だから」や「死刑廃止は世界の潮流だから」などと、自分の全人格を賭しているとは全く思えない理由から 死刑廃止を訴えることもできないのではないか。
「加害者を殺したところで、被害者が返ってくるわけではない」。そのように死刑廃止論者は主張する。もちろん、その通りだろう。しかし、残された遺族は、どう自分たちの傷と向き合えばいいのか。 加害者も被害者遺族も、どちらも生者である。そして、人道を外れ、社会のルールを破ったのが加害者である以上、加害者側と被害者側、どちらを優先するかは自明の理ではないかと思うのだが、いかがだろうか。
国も司法も、そして私たち国民も、本書の中で主張される遺族の声を真摯に受け止める必要があるだろう。それが最終的には犯罪抑止にも繋ると信じている。
2009年5月には、殺人などの重大犯罪の裁判に国民が参加する裁判員制度が開始される。自分が裁く立場に立った時の考えを広げる一助としても、本書をお薦めしたい。
- 藤井 誠二
- 講談社
- 1680円
livedoor BOOKS
書評/ルポルタージュ

*1 本書では取り上げられていないが、安田弁護士が記者会見でどのような主張をしたかを覚えている人もいると思う。少なくとも私は激しい怒りを覚えた。
_ 仕事をすると言いつつ、全然仕事をせんかった
まぁ、明日があるからいいか(ぉ
2007-05-06(Sun) [長年日記] この日を編集
_
14階段ー検証新潟少女9年2ヶ月監禁事件ー(窪田 順生)
2000年に新潟県柏崎市で発覚し、日本中を震撼させた新潟少女監禁事件の闇に迫るルポルタージュ。
当初加害者として疑われた母親へのインタビューや、9年4ヶ月もの間、加害者である佐藤宣行と被害者が暮らした 八畳の部屋への取材などを通じて、 加害者である佐藤宣行の人格がどのように形成され、事件を引き起こすに至ったかを探り出す過程で明らかになった事実には、背筋が寒くなるような感覚を覚える。
また同時に、被害者が、病院で保健師が与えたスポーツドリンクを飲み「今までの人生で一番美味しかった」と笑みをこぼしたという記述を読み、一人の少女の青春を奪った加害者に対して激しい怒りを感じた。
ただ、文体の影響もあるとは思うが、取材が、まるで推理小説のように、あまりに「キレイ」に決まり過ぎている印象を受ける。もう少し紆余曲折があった方がノンフィクションとしての厚みが出たと思うのだが。
子供が被害者となる犯罪は、犯罪の中でも最も唾棄すべきものだと、個人的には思っている。著者が あとがきで述べているように、子供を標的とする性犯罪者には常習性があることを我々は知っている。 著者が主張するほど、量刑が「弾力的」に運用されていいものとは思わないが、現実の刑法が 現実に則していないことは事実であろう。
早ければ、あと数年で加害者は出所する可能性がある。本書によって明らかになったところでは、 加害者である佐藤宣行は、少なくともこの取材の時までには、被害者に対して未だに強い執着心を持っていた とのことである。 加害者は今回の事件の10ヶ月前にも、小学生の女児を叢に連れ込み、執行猶予付きの懲役判決を受けている。 今回が二度目なのだ。『殺された側の論理』でも指摘されていたように、 日本の刑法は加害者の「更正」に重きを置いているはずだ。「三度目」などと言う言葉を書くことも嫌だが、 そのような事態が、いや、それに近い事態さえ起きてはならない。万が一にも、そのような事が起きれば、 司法の責任が問われなければならないだろう。
参考:
2007-05-08(Tue) [長年日記] この日を編集
_
The Chronicles of Narnia: The Magician's Nephew/the Lion, the Witch and the Wardrobe/the Horse and His Boy/Prince Caspian/the Voyage of the Dawn Treasure/The Silvair Chair/The Last Battle (7 volumes)(C. S. Lewis)
妻が
The Lion, the Witch and the Wardrobe (Chronicles of Narnia, Book 2)(C. S. Lewis)を読んでいて、英語が非常に読み易いので、続刊も読みたいというので発注。
1冊ダブってしまうが、ばらで買うより、こちらのパックの方がお得。
_ 遅くて仕方ねーと言われていた、社内用アプリを書き直したら10倍(当社比)くらい速くなった
selectした値を
total = 0 Hoge.find(:all).each do |h| total += h.value end
みたいな感じで、いちいちeachで回して足してやんの。最初から
total = Hoge.sum(:value)
しろよ。バカ。
まぁ、これ書いたの、オレなんだけどな。
2007-05-10(Thu) [長年日記] この日を編集
_ sysutils/apcupsdを3.14.0に更新
久しぶりにsysutils/apcupsdをportupgradeしたところ、3.14.0になっていた。
Relese Notesによると、
- Unreliable MASTER/SLAVE networking mode is removed
ということなので、今まで使っていたMASTER/SLAVEモードは捨てて、NISモードを使うように設定変更。
設定方法はマニュアルを読めば、全然難しくないんだけども、備忘録を兼ねてメモ。
まずはportsのmakeから。
マニュアルによると、
NIS clients and servers require that apcupsd be compiled with the Net Driver --enable-net.
と言うことなので、sysutils/apcupsdをmakeする場合は、
-DWITH_CLIENT_ONLY
付きにしなければならないぽい。これからは、このknob名は適切ではないかな。もう、直接、CONFIGURE_ARGSに入れちゃってもいいのかも知れない。
サーバ側の設定は下記の通り。
--- apcupsd.conf.sample Wed May 9 14:16:15 2007 +++ apcupsd.conf Wed May 9 11:31:57 2007 @@ -73,7 +73,7 @@ # configured. # UPSTYPE apcsmart -DEVICE /dev/usv +DEVICE /dev/cuad0 # LOCKFILE <path to lockfile> @@ -120,12 +120,12 @@ # If during a power failure, the remaining battery percentage # (as reported by the UPS) is below or equal to BATTERYLEVEL, # apcupsd will initiate a system shutdown. -BATTERYLEVEL 5 +BATTERYLEVEL 10 # If during a power failure, the remaining runtime in minutes # (as calculated internally by the UPS) is below or equal to MINUTES, # apcupsd, will initiate a system shutdown. -MINUTES 3 +MINUTES 6 # If during a power failure, the UPS has run on batteries for TIMEOUT # many seconds or longer, apcupsd will initiate a system shutdown.
基本的にstandaloneの時と全く変わらない。BATTERYLEVELとMINUTESはお好みで。
それからクライアントからの問い合わせに答えられるよう、pf.confにも下記の設定を書いた。
table <apcupsd_clients> { xxx.xxx.xxx }
(中略)
pass in on $ext_if inet proto tcp from <apcupsd_clients> to ($ext_if) port 3551 flags S/SA modulate state
今回はNISモードの標準ポート、3551を使った。
次にクライアントの設定。
--- apcupsd.conf.sample Wed May 9 11:28:14 2007 +++ apcupsd.conf Wed May 9 11:40:49 2007 @@ -26,7 +26,7 @@ # 940-1524C, 940-0024G, 940-0095A, 940-0095B, # 940-0095C, M-04-02-2000 # -UPSCABLE smart +UPSCABLE ether # To get apcupsd to work, in addition to defining the cable # above, you must also define a UPSTYPE, which corresponds to @@ -72,8 +72,8 @@ # credentials for which the card has been # configured. # -UPSTYPE apcsmart -DEVICE /dev/usv +UPSTYPE net +DEVICE xxx.xxx.xxx:3551 # LOCKFILE <path to lockfile> @@ -120,12 +120,12 @@ # If during a power failure, the remaining battery percentage # (as reported by the UPS) is below or equal to BATTERYLEVEL, # apcupsd will initiate a system shutdown. -BATTERYLEVEL 5 +BATTERYLEVEL 15 # If during a power failure, the remaining runtime in minutes # (as calculated internally by the UPS) is below or equal to MINUTES, # apcupsd, will initiate a system shutdown. -MINUTES 3 +MINUTES 9 # If during a power failure, the UPS has run on batteries for TIMEOUT # many seconds or longer, apcupsd will initiate a system shutdown. @@ -208,7 +208,7 @@ # NETTIME <int> # Interval (in seconds) at which the NIS client polls the server. # Used only when this apcupsd is a network client (UPSTYPE net). -#NETTIME 60 +NETTIME 10 # # Remaining items are for ShareUPS (APC expansion card) ONLY
基本的にUPSTYPEとDEVICEを変更しただけ。BATTERYLEVELとMINUTESは、サーバより早めにshutdownするようにした。NETTIMEはマニュアルに合わせて短めに変更。
あとは、サーバ、クライアントで
# /usr/local/etc/rc.d/apcupsd start
してapcupsdを起動してあげてから、UPSの商用電源コンセントを抜いてみて、/var/log/apcupsd.eventsにログされているか確認する。
今まで、これといった理由がなく、MASTER/SLAVEモードを使っていたんだけど、NISモードはホストが増えても、特にサーバ側をいじる必要がない(ファイアウォールをいじる必要はあるかもしれないけど)ので、運用もかなり楽になるのではないかと思った。
参考:
2007-05-11(Fri) [長年日記] この日を編集
_
犯行現場の作り方(安井 俊夫)
一級建築士であり、ミステリー小説をこのなく愛する著者が、ミステリー小説の舞台になった建築物を図面に起こして、真剣に論じている本。
本書で取り上げられている10作品のうち、読んだことがあるのは島田荘司の『斜め屋敷の犯罪』だけだったんだけども、他の作品も読みたくなる良書だった。ミステリー・マニアであれば、もっと楽しめるんではなかろうかと思う。
続編も計画されているようなので期待大。
_
虫の味(篠永 哲/林 晃史)
医学博士である2人の著者が様々な昆虫(一部例外あり)を食べることに挑戦しているのが本書。
前にも書いたと思うが、虫の類いはあまり好きではないにも関わらず、食虫ネタは大好きだったりする。そんな訳で読んでみた本書なのだが、期待に違わず、滅法面白かった。
著者のうちの一人、林博士はいたずら好きなようで、正体を知らせず、息子さんにゴキブリ酒を飲ませたり、チョコレートでコーティングした孫太郎虫を奥さんに食べさせたりと、なんとも人が悪い。
ちなみに、ゴキブリは寄生虫を媒介している可能性が非常に高いらしいので、生食はお薦めできないとのこと。覚えておいて損はないものと思われる(誰も食べないって)。
ただ、元々、1996年に出版されてものの改訂版と言うこともあり、掲載されている写真の数が少ない上、白黒というのが玉に瑕。写真のインパクトという点では、昆虫料理を楽しむの方がずっと上だ。
まぁ、そんな感じで欠点もある訳だが、上記、昆虫料理を楽しむが楽しめる人であれば、面白く読めると思うので一読をお薦めしたい。
2007-05-12(Sat) [長年日記] この日を編集
_
軍犬ローマ号と共に―ビルマ狼兵団一兵士の戦い (光人社NF文庫)(志摩 不二雄)
『本の雑誌』の「ミミ中野のこれいただくわ」で紹介されていたので読んでみた。
第49師団『狼』の軍犬班の一員としてビルマ戦線に赴いた著者の従軍記なのだが、 まえがきに書いてある
私には祖国のためにという意思はなかった。ただ「私怨」を晴らすことと、「生きて還る」という執念に燃えていただけである。
を地で行っている、なんとも凄い本だった。
タイトルから「フランダースの犬」のような、軍用犬との種を越えた友情ストーリーを 想像すると思うが、実際は、そういう要素は皆無とまではいかないが、せいぜい1割程度。
あとは、戦争そっちのけで、私的制裁を受けた古年兵や上官に沸々と憎悪を煮えたぎらせ、 どう復讐するかを考えていたり、部隊とはぐれた際に出会った脱走兵3人組と一緒にゲリラを虐殺したり、 逃避行中に現地女性を買春した後、通報を怖れて手足を縛ってジャングルに投げ込んだりと、 なんとも唖然とさせられる話のオンパレードだ。
部隊とはぐれ、3日間の逃避行をする原因となったのが、連合軍の空襲下、憎っき古年兵の一人を 見付けた著者が復讐を遂げるため後先考えず、相棒の軍犬と共に追っ掛けていったことなのだが、 それなのにも関わらず、部隊になんとか復帰できた著者は上官や仲間を見た途端、 「なんでこいつらは、俺がいなくなった時に探さないんだ!」とまた憎しみをたぎらせる。
それって逆恨みじゃね? と思うのは、たぶん、俺だけじゃないはず。
なお、本書によると、末期のビルマ戦線では、
・ 後ほどの戦闘に備えて弾丸を無駄使いしてはならぬ。
・ 地上から攻撃した場合は有力陣地があるとみなされて、後日、連日のように猛爆撃を受ける恐れがある。
・ 被害を最小限に止めるためには無抵抗がよい。
・ つまり飛行機に対しては無抵抗主義をとる。
という理由から敵機に対しての反撃は禁じられていたとのこと。
日本軍の最貧具合が分かってなかなか興味深い書だった。
参考:
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北海道警察の冷たい夏 (講談社文庫)(曽我部 司)
北海道警察本部に所属する現職警部が覚醒剤密売や拳銃所持を行なっていたという「稲葉事件」の闇に迫ったルポルタージュ。
本書では、稲葉刑事の個人的犯罪として裁かれた事件の隠された真相に迫っているのだが、取材によって 明らかになる事実には慄然とさせられてしまう。
- 拳銃の押収件数を増やすため(つまり、自分たちの点数稼ぎのため)、稲葉刑事の上司および道警上層部は、事件を捏造することを黙認
- さらには、Sと呼ばれる「捜査協力者」が覚醒剤の密売や、盗難車をロシアマフィアに不正に輸出することについても黙認
- 事件発覚の発端となったのは、命を狙われていると思った「捜査協力者」が警察に覚醒剤を持って駆け込んだことだが、その「捜査協力者」は拘置所にて変死。自殺と断定され、司法解剖もないまま処理された
- 札幌地検も真相を把握しており、道警と共謀して、稲葉刑事の個人的な犯罪とする調書を作成
などについての記述を読むと、一体なにを信じればいいのか分からなくなる。
稲葉事件については、東直己の作品で、直接言及されていたり、この事件がモチーフになったと覚しき道警の汚職が描かれていたのだが、 あまりにも現実離れしているように思えて、すっかりフィクションだとばかり思い込んでいた。自分の不明を恥じるばかり。
機会があれば、本書の続編である
白の真実―警察腐敗と覚醒剤汚染の源流へ(曽我部 司)も読んでみたいと思う。
2007-05-13(Sun) [長年日記] この日を編集
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制服捜査(佐々木 譲)
稲葉事件の煽りを受け、長年勤めた刑事課強行犯係から田舎町の駐在所へと異動となった、北海道警察の巡査部長が主人公の短篇集。
地域の閉鎖性に妨害されながらも、事件の真相を探ろうとする刑事魂がなんとも言えず良い。どの短篇も明るい結末とは言い難いものばかりなのだが、 不思議と悪くない読後感だった。
今朝、「一篇だけ読むか」と読み始めたのだが、あまりに面白くて、仕事そっちのけで読了してしまった。さすがベテランの作品と感心した次第。
全然知らなかったのだが、読後にググったところ、去年の「このミス」で2位だったとのこと。この面白さだったら納得できる。
なお、本書によると、稲葉事件以来、道警は癒着が起こることを怖れ、一つの職場に警察官を長く在籍させることをしなくなったと言う。 それで検挙率が低下することも許容するというスタンスらしい。いかに稲葉事件が道警に大きな衝撃を与えたものであるかが分かって興味深かった。
_ 佐藤亜紀の6月の講座、RubyKaigiとカブってるやん
http://tamanoir.air-nifty.com/jours/2007/03/2007330.html
あちゃー、昨日の講座に行けばよかった。
2007-05-14(Mon) [長年日記] この日を編集
_ Absolute FreeBSD改訂版のpre-orderがはじまっている
個人的には
You'll learn how to build your own embedded devices, how to encrypt disk partitions
あたりに激しく期待。
翻訳を待つべきかどうか迷うなー。
2007-05-16(Wed) [長年日記] この日を編集
_ subtech - otsune's SnakeOil - twitterのRSSを1日分まとめてストック→24:00すぎにmixiとかtDiaryに投げるには
あー、そうか。tDiaryにエントリーを投げるの、メールを使えばいいんだ。
ここんとこ、メールでの更新をしてなかったので、すっかり頭から抜けおちていて、P::P::Publish::tDiaryみたいなpluginが必要だとばかり思い込んでいた。
アホだ。 < 俺
2007-05-17(Thu) [長年日記] この日を編集
_ Railscasts - Free Ruby on Rails Screencasts
ブクマだけして、そのままだったんだけど、なんとなく見てみたら、かなり面白い。
helper_methodはRestricting Accessを見て、始めて知った。
こないだ、どうやってcontrollerとhelperでメソッドを共有すればいいのかなーと、ちと悩んで、controllerに
include HogeHelper
と書いてしまったんだけども、helper_methodを使えばよかったんだな。あとで書き直そう。
2007-05-19(Sat) [長年日記] この日を編集
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老人と宇宙 (ハヤカワ文庫 SF ス 17-1)(ジョン・スコルジー)
各所で評判だったので読んでみたのだが、評判通り、非常に面白かった。
軍ヲタ的視点で見た場合、戦闘が歩兵同士の撃ち合いにほぼ終始していて、少々、軍事分が足りないような感じではあるのだが (近接航空支援も、砲撃支援も、装甲車両さえ登場しない戦争なんて!)、ストーリー展開が非常に面白く、読んでいる 最中はそういう欠点を感じさせずに、ぐいぐい引っ張っていくあたりは作者の筆力を感じさせる。なんとも凄い新人だと 感心した次第(ノンフィクション分野では実績のある人だと言うことだが)。
75歳以上の老人しか入隊できない軍隊という設定も効いている。一見、キワモノっぽい設定ではあるのだが、「善悪の区別なく、 ただ生存競争に勝ち抜くために戦争をする」という、なんとも実利的な性格のコロニー防衛軍に適応できるのは、 人生経験を積んだ老人以外にない、という設定は見事(参考:p.194〜195)。もし、若い主人公であれば、 精神的に追い詰められるような描写がなければ、リアリティに欠けるところであるが、本書では、登場人物が それほど悩まなくても、上記の設定があるので納得できる。
「21世紀版『宇宙の戦士』」と書籍紹介にも書いてあるのだが、多種多様なエイリアンが登場するあたりや、原理はなんだか分からないが 動いてしまう、エイリアンから入手した超絶テクノロジーというあたりで、「『宇宙の戦士』+デイヴィッド・ブリンの 『知性化』シリーズ」という印象を持った。訳者あとがきによると、SFについてマーケティングを充分に行なったとのことなので、 『知性化』シリーズにもインスパイヤされたんではないかと、個人的には思っている。


_ タウム [TBさせていただきました。 犯罪被害者がいかに過酷な状況におかれているかに、愕然としました。]