トップ «前の日記(2007-07-20(Fri)) 最新 次の日記(2007-07-22(Sun))» 編集

ぽっぺん日記@karashi.org


2007-07-21(Sat) [長年日記]

_ 天使の牙から (創元推理文庫 F キ 1-11)(ジョナサン・キャロル) 天使の牙から (創元推理文庫 F キ 1-11)(ジョナサン・キャロル)

癌で余命いくばくもない往年のTVスター、フィンキー・リンキー。その彼の前に“死”そのものが現われ、死者を蘇らせる奇怪な力を授けてゆく…いっぽう世界的な女優だったアーレンは、ひょんなことから巡り会った一人の戦場カメラマンに真摯な恋心を抱くようになるのだが…ふたつの物語が交錯するとき、明らかにされる衝撃の真実とは。

本書の解説も書かれている米光一成さんが、blogで強烈にプッシュされていたので読んでみた。

主人公の一人称、インタビュー、友人への手紙や録音テープ、主人公2人の対話といった多様な方法で重層的に展開するのが本書の特徴なのだが、米光さんも解説で書かれている通り、なんと言っても、それまでのストーリーが一気に崩されるラスト30ページが圧巻。

まず「え、残りこんだけのページ数しかないのに、こんな展開でいいの?」と驚かされ、次に「ちゃんとオチを付けられるの?」「まさか投げ放っしじゃないよね?」と不安一杯にページを繰っていくのだが、残り数ページとなったところで、それまで蓄積した絶望が希望へと昇華する。見事としか言いようがない。

ジョナサン・キャロルの作品を読んだのは、今回が始めてなのだが、本書の登場人物の一部は『月の骨』、『空に浮かぶ子供』にも登場しているそうだ。次の機会に読んでみたいと思う。

[]
本日のPingbacks(全0件)

トップ «前の日記(2007-07-20(Fri)) 最新 次の日記(2007-07-22(Sun))» 編集