ぽっぺん日記@karashi.org
2007-07-29(Sun) [長年日記]
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宇宙はどこまで明らかになったのか 太陽系の誕生からブラックホール、宇宙の進化まで (サイエンス・アイ新書 23)(福江 純/粟野 由美)
「本が好き」プロジェクト経由で献本して頂いた。
元々、SFが好きなのだが、その中でも宇宙を扱ったハードSFには目がない。ぱっと思い付くところを上げると、スティーバン・バクスターのジーリー・シリーズ、グレッグ・イーガンの『ディアスポラ』、野尻抱介の『太陽の簒奪者』と『沈黙のフライバイ』、林譲治のAADDシリーズ──。
どれも最高に面白いのだが、個人的な問題として、作中に登場する宇宙像を、実は全然理解しないで読んでいるということがあった。赤色巨星と白色矮星は「まぁ、死にかけの星かな」くらいの理解だし(双方の違いは分かっていない)、降着円盤も「ブラックホールの周りにガスっぽいものがある」くらいに思っていた。そんなあやふやな知識を最新の宇宙研究で補強してくれるのが本書。
表紙を開いて、まず驚くのが、全242ページがすべてカラーであるということ。ふんだんに使われている写真や図表も、フルカラーで非常に美しい。これで価格が1,000円(税込)なんだから驚いてしまう。新書だからと言って、「百聞は一見にしかず」の言葉通り、ビジュアル的な理解として欠かせないはずの写真を、目を凝らしても分からないようなモノクロとして掲載してしまう出版社は、ソフトバンク クリエイティブを見習って欲しいものだ。
さて肝心の内容であるが、本書は、2つの部で構成されている。最新の宇宙像について平易な言葉で解説した第1部『最新天文学入門』。8人の研究者が最新の宇宙研究をテーマ別に解説している第2部『宇宙の最前線』だ。
『最新天文学入門』の内容は非常に素晴しい。わずか50ページ足らずというページ数ながら、サブタイトルの通り「太陽系の誕生から第二の地球探し、ブラックホール、最果ての銀河まで」が網羅されていて、宇宙についての全くの初心者でも、かなりのことが短時間で理解できるような構成になっている。個人的には、ここさえ読んでおけば、宇宙関連のハードSFに登場する宇宙像の5〜6割程度は理解できるようになるのではないかと思う。
つづく『宇宙の最前線』の内容も素晴しい。最新の宇宙研究がコンパクトにまとめられており、その成果を一通り知ることができる。中でも、「はやぶさ」とはじめとする探査機による太陽系探査をテーマにしたPart1『太陽系最前線』と、著者の体験をまじえながら最果ての銀河の観測について語ったPart7『銀河学最前線』は非常に読みやすいので特筆しておきたい。
ただし、残念な部分もある。
それは、8つのパートのそれぞれで、読者の想定レベルがバラバラではないかということだ。前掲のPart1『太陽系最前線』やPart7『銀河学最前線』は、平易な言葉が使われており、初心者も視野に入れているように感じられるが、他のパートの幾つかは、率直に言って、第1部で初めて宇宙像を知ったような初心者が内容を理解することは難しいのではないかと思う。編者のあとがきによれば、第2部の執筆者たちからの原稿が遅くなったり、執筆者同士の議論を仲裁したりと(やっぱり研究者というのは議論が好きなんだろうなぁ)、色々と大変だったようではあるが、もう一頑張りして頂いて、各パートごとに、編者による内容解説を付けるなり、用語解説を入れるなりといった形で、初心者向けのクッションを置くような工夫をして欲しかったところだ。
次の機会には、ぜひ、「やさしい宇宙」や「基礎から分かる宇宙」といった感じの、初心者でも最新の宇宙研究を理解できるような本を出版して頂きたい。自腹でも買うつもりだ。
- 福江 純、粟野 由美
- ソフトバンククリエイティブ
- 1000円
livedoor BOOKS
書評/サイエンス

_ 今日のできごと
- なぜか早朝に目が覚める。
- 投票へ行く。
- 帰りにスーパーと豆腐屋に寄る。
- 午後は図書館とファミレスでまたーり。
- 夕飯を食べたら、すげー雷雨。
- 選挙特番を見ながら読書していたら、いつの間にか、うたた寝。
- 起きて、風呂に入った。←今ここ
- 寝る。



まで頂ければ幸いです。
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