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ぽっぺん日記@karashi.org


2007-09-28(Fri) [長年日記]

晴のち曇

_ 千の脚を持つ男―怪物ホラー傑作選 (創元推理文庫 F ン 8-1)(シオドア・スタージョン) 千の脚を持つ男―怪物ホラー傑作選 (創元推理文庫 F ン 8-1)(シオドア・スタージョン)

本が好き!経由で献本して頂いた。

これまでにも数々の名アンソロジーを編んでいる中村融による、秀作モンスター小説を集めた日本オリジナル編集のアンソロジーが本書。

編者は「活字で読める《ウルトラQ》」をめざしたということだが、本書の収録作はその狙い通り、モンスター好きのマインドを直撃するどんぴしゃなものばかり。 ホラー好きはもちろんのこと、モンスター好きにもイチオシの傑作アンソロジーだ。

本書に収録されている作品は下記の10篇。

  • ジョゼフ・ペイン・ブレナン 『沼の怪』
  • D・H・ケラー 『妖虫』
  • P・スカイラー・ミラー 『アウター砂州に打ちあげられたもの』
  • シオドア・スタージョン『それ』
  • F・B・ロング 『千の脚を持つ男』
  • アヴラム・デイヴィッドスン 『アパートの住人』
  • ジョン・コリア 『船から落ちた男』
  • R・チェットウィンド=ヘイズ 『獲物を求めて』
  • ジョン・ウィンダム 『お人好し』
  • キース・ロバーツ 『スカーレット・レイディ』

どの作品もハズレなしの高水準なデキなのは見事。訳者兼編者としての中村融のセンスが光っている。

収録作のうち、『アウター砂州に打ちあげられたもの』、『アパートの住人』、『獲物を求めて』、『お人好し』、『スカーレット・レイディ』の5篇は本邦初訳。 『沼の怪』、『妖虫』、『それ』、『千の脚を持つ男』、『船から落ちた男』の5篇については既訳こそあるものの、『それ』以外は、20年以上前に雑誌やアンソロジーに収められてから埋もれていた作品ばかりな上、本書のためにすべてを新訳したということだ。 編者があとがきに書いている通り、「相当にお買い得」な一冊と言っていいだろう。

個人的には、どの作品も未読だったので非常に楽しめたのだが、あえてベストスリーを上げておくと、

  • 1位:悪魔にとり憑かれた車と、それに魅了された男の悲劇を描く『スカーレット・レイディ』
  • 2位:ハイヒールに踏みつけられて大怪我をしたり、子供の釣り針に引っ掛けられたり、襲った薬局の店主に逆襲されたりと、なんとも情けないモンスターが良い感じの『千の脚を持つ男』(ホラーです。念の為)
  • 3位:わずか21ページでありながら、中盤以降の、まさにウルトラQ的な展開に驚かされる『アウター砂州に打ちあげられたもの』

という感じだろうか。

ちなみに、創元文庫に収められた中村融編纂のアンソロジーには、他に『影が行く』、『地球が静止する日』がある。どちらも本書と同様、傑作アンソロジーなので、あわせてオススメしておく。

影が行く―ホラーSF傑作選 (創元SF文庫) 影が行く―ホラーSF傑作選 (創元SF文庫)
フィリップ・K. ディック/ディーン・R. クーンツ
東京創元社
¥ 1,050

地球の静止する日―SF映画原作傑作選 (創元SF文庫) 地球の静止する日―SF映画原作傑作選 (創元SF文庫)
レイ ブラッドベリ/シオドア スタージョン
東京創元社
¥ 1,050


千の脚を持つ男―怪物ホラー傑作選 (創元推理文庫 F ン)

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書評/ミステリ・サスペンス

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