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ぽっぺん日記@karashi.org


2007-10-13(Sat) [長年日記]

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_ ラヴクラフト全集 別巻上 (8) (創元推理文庫 F ラ 1-8)(H.P.ラヴクラフト) ラヴクラフト全集 別巻上 (8) (創元推理文庫 F ラ 1-8)(H.P.ラヴクラフト)

本が好き!経由で献本して頂いた。

ラヴクラフト全集は既刊の全7冊を持っていて、本書も買おかどうか迷っていたところだったので、非常にタイムリーだった。 自由になる金が少なかった中学生時代に、クトゥルフ神話にハマって、古本屋でラヴクラフト全集や青心社のクトゥルー神話体系を探し回った時のことを考えると、 こうしてラヴクラフト全集の新刊を献本して頂けるということには、なんとも感慨深いものを感じる。

ちなみに、その時の癖はいまだに抜けておらず、クトゥルフ神話関連の書籍を古本屋の105円の棚で見掛けると、もう持っているにも関わらず、 どうしても「保護しないといけない」という気がしてしまい、つい購入してしまう。たぶん、一種の病気だ。

さて、ラヴクラフトと言えば、数多くの添削や共作を手掛けたことで有名だ。 特に、添削については、元の原稿に書かれていた内容が残らない──「添削」と言うよりは「リライト」と称した方がいいほどの徹底だったことに加えて、遊び心で、クトゥルフ神話に登場する神々の名前を挿入するいたずらをしていたことも知られている。添削される側から見れば、ちょっと困った人だったのではないだろうか。

ラヴクラフト全集自体は全7巻で完結しているが、本書と、続く下巻の2冊は別巻という位置づけで、そんなラヴクラフト以外の作家による作品で「程度の多少にかかわらず、ラヴクラフトの手の入った」(本書紹介文より)ものを執筆年代順に収めている。 他のアンソロジーで既出の作品も、いくつか見られるとはいえ、ラヴクラフト全集というシリーズを「全集」の名にふさわしい完成度高めようとする、訳者である大瀧啓裕と創元社の努力は評価されるべきだろう。

ただ、収録作自体は、率直に言って、玉石混淆ではある。クトゥルフ神話作品が少ない上、訳者特有の古風な訳文ともあいまって、正直、退屈すぎて読み進めるのが辛い作品もあった(『這い寄る混沌』や『罠』)。 しかし、本書は「全集」であって、「傑作選」ではない。ラヴクラフトの「歴史」を知るということに本書の意義があるのだろう。そういう意味で、本書に収められた作品の質を云々するのは野暮というものかも知れない。 まぁ、自腹を切って本書を買うような、筋金入りのラヴクラフト・マニアには書くまでもないことではあるが。

なお、上巻である本書には、各収録作の解説が含まれていない。 各作品に、どの程度、ラヴクラフトが関与しているかが解説されているであろう下巻での出版が待ち遠しい。


ラヴクラフト全集 別巻上 (8) (創元推理文庫 F ラ 1-8)

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書評/ミステリ・サスペンス

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_ サイン会はいかが?―成風堂書店事件メモ (ミステリ・フロンティア 32)(大崎 梢) サイン会はいかが?―成風堂書店事件メモ (ミステリ・フロンティア 32)(大崎 梢)

本邦初の本屋ミステリー第3弾。 前巻は長編だったが、本書では、第1弾と同様の短編集に戻った。

あいかわらず、本屋好きの魂を刺激する話が満載で楽しめた一冊。

ちょっとした謎解きと共に、書店業務の舞台裏が描かれているのが本シリーズの魅力だが、本書では、「バイト金森くんの告白」に書かれた、返本する雑誌の付録は書店側で処分するという話(ゴミとして分別をしないといけないので大変らしい)や、表題作「サイン会はいかが?」に描かれたサイン会を開催するまでの流れが、へぇーという感じで面白かった。

個人的に一番気に入った作品は、本屋での落とし物探しを描いた「ヤギさんの忘れもの」。僅か22ページという長さではあるが、落とし物があった意外な場所と、多絵の最後の一言がなんともいえず良い。

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