ぽっぺん日記@karashi.org
2008-03-08(Sat) [長年日記]
_ 一杯で二度おいしい──
ビールボーイズ(竹内 真)
東京創元社様より本が好き!経由で献本御礼。
ビール党にはたまらない一冊だ。 なにしろ、たぶん本邦初、もしかしたら世界初かも知れないビール青春小説が本書なのだ。 ビール好きであれば、読後にビールが飲みたくなること必至の傑作だ。
1983年、北海道の架空の町、新山市。 その日、使われなくなった納屋を利用した「秘密基地」には、12歳の仲間たち4人──正吉、広治郎、勇と、紅一点の薫が集まっていた。 市内のビール工場の閉鎖により同級生、茜が転校してしまった。 4人で、茜が転校することになった原因、憎っくきビールを飲み干してやるのだ! これが、後に第1回ビール祭と称され、彼らが新山産地ビール造りへと邁進することになるきっかけだった──というのが、本書冒頭のあらすじ。
その後、成長した彼らが30歳までの人生の折々に集まりビールを酌み交わしながら、夢を実現していく過程が爽やかな筆致で描かれていき、ビールのごとくすっきりした読み心地で最後まで楽しませてくれる。ラストの勇のセリフには、思わず涙腺が緩くなってしまった。
微妙に青春小説の定石を外した展開も上手い。たとえば、腕力に訴えるタイプの男勝りの少女として登場する薫だが、残りの少年たちの誰かとの間に恋愛感情が生じる、ありがちなストーリーを予想していたら、著者はあっと驚く仕掛けを繰り出してくる。「なるほど、こう来たか」と思わず唸らせられた。
各エピソードの合間に挿入されたビールコラムも、ビール好きならずとも知っておいて損のない蘊蓄が披瀝されていて◎(にじゅうまる)。 ビールが製法から2種類に分類できることは、本書で初めて知った。その2種類というのが上面発酵のエールと下面発酵のラガー。恥を忍んで告白しておくと、ラガーというのはブランド名だとすっかり思い込んでいました、はい。その他、古代から現代までの歴史や日英米のビール業界の現状まで知ることができるという、なかなかお得な内容になっている。ビールの自家醸造を法律で禁止している日本の現状について
太古の昔、ビールを造ることは文明の証だったが、現在においてもビールを造ることが文明の証でもあるのだ。(p.303)
と異を唱える著者の語りも熱くていい。小説とコラムをあわせて、一粒ならぬ一杯で二度おいしい本と言えるだろう。
なお、巻末の取材協力先のひとつとして挙げられている麦雑穀工房マイクロブルワリーは、実は自宅からそれほど離れていない場所にあるそうである。近いうちにエールを買いに行きたいと思う。どんな味がするのか今から楽しみだ。
最後に一言。 読了前には、冷やしたビールとグラスを用意しておくのをお忘れなく。
それでは、乾杯!
- 竹内 真
- 東京創元社
- 1785円
書評/国内純文学
_ shells/p5-Shell-Perlがcommitされたよ
http://www.jp.freebsd.org/cgi/cvsweb.cgi/ports/shells/p5-Shell-Perl/
でも、Devel::PERLの方が便利そげな感じ。><
_ メモ
- 今週は外回りの連続で、帰宅→晩飯→バタンキューの連続だった。PCを起動する元気もなし。
- もう若くないので、ムリなスケジューリングはダメですな。
- でも、移動時間が長いので読書は進んだ。『陸軍戦闘隊撃墜戦記』1・2をもうすぐ読み終えるので、次は読みさしになっている『残虐行為記録保管所』と、『MM9』あたりを読むかねー。あ、その前に『戦争の経済学』かな。




まで頂ければ幸いです。
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