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2008-03-09(Sun) [長年日記]
_ ルーシー危機一髪!──
トウシューズはピンクだけ (創元推理文庫 M メ 2-2)(レスリー・メイヤー)
東京創元社様より本が好き!経由で献本御礼。
『メールオーダーはできません』に続く、メイン州の田舎町ティンカーズコーヴを舞台にしたコージーミステリー〈主婦探偵ルーシー・ストーン〉シリーズ第2弾が本書。
ストーリーは、前巻から約半年後からはじまる。 ルーシーは、妊娠6ヶ月の身重になっていた。通販会社の夜間オペレータは退職したものの、息子のリトルリーグに、娘たちのバレエ発表会と、やはり忙しい毎日を送っている。 そんな時、街の有名人である元バレエダンサーが愛犬を残し、突如、失踪してしまう。 周囲は心配するが、警察は事件性は薄いとして行方不明のまま捜査を打ち切ってしまった。 夫が止めるにもかかわらず、ルーシーは持ち前の好奇心から元バレエダンサーの手掛かりを追いはじめるのだが、またもや殺人事件に巻き込まれる事態に──。
前巻は、主婦の日常:7、ミステリー:3といった感じの配分のストーリーで、ミステリーとしては若干不満の残る内容だったが、本作ではDV(家庭内暴力)や子供への虐待という現代の病理をテーマとして扱っていて、物語にぐっと深みが増した。 また、善人の仮面をかぶったサイコヤローにルーシーが追い詰められてしまう「ルーシー危機一髪!」といった手に汗握る展開もあって、前巻には薄かったサスペンス要素も大幅増だ。
とは言え、「ご近所ミステリー」とも称されるコージーミステリーのシリーズだけあって、肩肘張らず読めるユルさは健在。 前巻のファンであれば、元バレエダンサーをはじめとして、前巻に登場したティンカーズコーヴの住人たちが立場を変えて再登場するストーリー展開を楽しめること請け合いだ。 ストーリー的に疑問な点もあるが(なんで、あいつはアルバムの存在に気付いたの?)、まずは一級のコージミステリーに仕上がっているといえるだろう。
蛇足ではあるが、『ルイザと女相続人』に登場のルイザ・オルコットの父親が参加していた、南北戦争以前に黒人奴隷の逃亡を援助した組織〈地下鉄道〉の話が本書でもちょろっと触れられていて、個人的にへぇと思ったことも書き添えておく。
訳者あとがきによれば、本シリーズ第3弾の邦訳は、今年の後半に刊行予定とのこと。 楽しみに待ちたい。
- レスリー・メイヤー
- 東京創元社
- 924円
書評/ミステリ・サスペンス




まで頂ければ幸いです。
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