ぽっぺん日記@karashi.org
2008-04-16(Wed) [長年日記]
_ 〈真・ク・リトル・リトル神話大系〉シリーズ復刊第2弾──
新編真ク・リトル・リトル神話大系 2 (2)(H.P.ラヴクラフト)
『新編真ク・リトル・リトル神話大系 1』につづく、〈真・ク・リトル・リトル神話大系〉シリーズ復刊第2弾
本書の収められているのは下記の全14篇。
- 「納骨堂綺談」(A・ダーレス&M・スコラー)
- 「魔道士の挽歌」(C・A・スミス)
- 「足のない男」(D・ワンドレイ)
- 「脳を喰う怪物」(F・B・ロング)
- 「羅星魔洞」(A・ダーレス&M・スコラー)
- 「奈落より吹く風」(A・ダーレス)
- 「屍衣の花嫁」(D・ワンドレイ)
- 「暗恨」(R・シーライト)
- 「彼方よりの挑戦」(A・メリット&H・P・ラヴクラフトほか)
- 「妖蛆の秘密」(R・ブロック)
- 「顔のない神」(R・ブロック)
- 「嘲嗤う屍喰鬼」(R・ブロック)
- 「闇に潜む顎」(R・E・ハワード)
- 「探綺書房」(H・ハッセ)
短い作品がほとんどなので、収められている数は多め。
「魔導師の挽歌」や「奈落より吹く風」、「妖蛆の秘密」あたりは昔、微かに読んだ記憶があるが、すっかり中身を忘れているので初読と変わらなかった。 物忘れが激しいというのにも良いところもあるもんですな。:-)
収録作の中でも、個人的なお気に入りは、魔導師エイボンとイホウンデーの大司祭モルギのユーモラスな土星地獄巡り「魔導師の挽歌」、 イサカ(イタカ)たんが活躍(?)する「奈落より吹く風」、 ロイガーたんとツァールたん、それにチョチョ族(トゥチョ=トゥチョ人)のみなさん登場の「羅星魔洞」、 C・L・ムーア、A・メリット、ラヴクラフト、ロングの合作という異色作「彼方よりの挑戦」あたり。
特に「羅星魔洞」は、ウルトラマンばりのド派手な展開がダーレスらしくて面白かった。 スン高原への旅のくだりも こないだ読んだ『大冒険時代──世界が驚異に満ちていたころ50の傑作探検記』ぽくてグー。
「彼方よりの挑戦」も「まぁ、ネタな作品なんで出来は大したことないだろうなぁ」なんてことを予想しながら読みはじめたら、意外に面白いのでびっくり (メリットのやる気の感じられない筆致は、ちょっとアレだけど)。
反対に、なんじゃこりゃというものが、ロングの「脳を喰う怪物」。 序章をぶった切ったがのように唐突にはじまるわ、ロクに登場人物の説明もないわで、読むのがかなり辛いデキ。
全体的になかなかの水準だし、訳もこなれているので、クトたん好きには良い一冊だと思われ。
ちなみに
本書の解説は、クトゥルフなエロゲー『デモンベイン』シリーズで(一部において)有名なシナリオライター、鋼屋ジンなのだが、
だけど太陽から一番近いプロキシマ・ケンタリウスだって、光の速さで四年の旅路。スペースシャトルなんかに乗っていたら、千回生まれ変わったってたどり着けない。(p.344)
と、微妙に分かってなささが漂う文章を書いていて、ちょっと噴いた。
スペースシャトルじゃ月だって行けないんだからその比喩はおかしいよ!


まで頂ければ幸いです。
観音浄土に船出した人びと―熊野と補陀落渡海 (歴史文化ライブラリー 250)(根井 浄)