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2008-04-22(Tue) [長年日記] この日を編集
_ ドイルの隠れた佳作を愉しめる一冊──陸の海賊 (創元推理文庫 M ト 1-18 ドイル傑作集 4)(コナン・ドイル)
東京創元社様より本が好き!経由で献本御礼。
コナン・ドイルといえば、〈シャーロック・ホームズ〉シリーズや、『失われた世界』をはじめとする〈チャレンジャー教授〉シリーズがとみに有名だが、ドイルが書いた中でもあまり人口に膾炙してこなかった作品群を集めたのが〈ドイル傑作選〉シリーズだ。
その第4弾である本書は〈スポーツ・冒険編〉と銘打たれ、ボクシングや狐狩り、クリケットといったスポーツ物の他、海賊や騎士を題材にした冒険物など、全14篇を収録している。 どれも粒揃いで隠れた佳作を愉しめる一冊といっていいだろう。
収録作の中でも、特に印象に残ったのが、学費の支払いに困窮する医学生がひょんなことからプロボクサーとの試合に臨むことになる「クロックスリーの王者」 。お約束な展開であるにもかかわらず、ぐいぐい引っ張られる筆力はさすがはドイルだとうならせられる。
ボクシングものとしては、その他、「バリモア公の失脚」「ブローカスの暴れん坊」「ファルコンブリッジ公」の3篇が収められているが、どれも一捻りしてあり楽しめる作品になっている。
ちなみに編者あとがきによれば、これらの作品で言及されるクイーンズベリー・ルールとは、グローブの着用を義務付けたルールで、それ以前は拳(ベア・ナックル)でボクシングが行なわれており選手が死亡することも稀ではなかったとの由。 ボクシングというよりは、まるで『ファイト・クラブ』のような試合が行なわれていた訳ですな。
「スペディグの魔球」は、日本の野球マンガでも時折見掛けた魔球物。 ただし、野球ではなく、クリケットというのがいかにも英国らしい。 クリケットについて全く知識がないので、細かい部分がまったく分からず、変な意味で笑ってしまった一篇だ。 クリケットについては、編者あとがきで解説されているので、そちらを読んでから本篇を読んだ方が理解できるかもしれない(正直に告白すると、私は解説を読んでもよく分かりませんでした。はい)。
「セント・キット島総督、本国へ帰還す」「シャーキー対スティーヴン・クラドック」「コプリー・バンクス、シャーキー船長を葬る」の3篇は、カリブの海賊シャーキー船長を主人公とした作品。 カイブの海賊だからといって映画の『パイレーツ・オブ・カリビアン』のようなぬるいストーリーを想像していると、シャーキー船長の残虐非道ぶりにびっくりするかもしれないのでご注意を。
刊行予定によれば、本書につづく第5弾にはSF作品が多数収められる予定のようで、SF者としては嬉しいかぎり。 楽しみに待ちたい。
- コナン・ドイル、北原 尚彦、西崎 憲
- 東京創元社
- 924円
書評/歴史・時代(F)
2008-04-18(Fri) [長年日記] この日を編集
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インテリジェンス人間論(佐藤 優)
佐藤優が古今東西の様々な人間について語っているのが本書。 著者お得意の政治家から情報関係者、キリストやユダ、果ては著者のニックネームの元ネタとなったラスプーチンまでと、幅広い分野の人々をカバーする内容となっている。
正直なところ、鈴木宗男や橋本龍太郎、小渕恵三、森喜郎など著者が仕えた政治家たちのエピソードは、著者の他の著作にさんざん書かれていることなので多少食傷気味なきらいはあるのだが、他の人たちの逸話はなかなか面白く、楽しんで読める一冊だった。 ちなみに、変わったところでは星飛雄馬も取り上げられています。
鈴木宗男バッシングの際に、著者を擁護した安倍晋三(当時、内閣官房副長官)が「ちょっとだけ好き」で、「鈴木はガンガンやったほうがいい」と発言していた福田康夫(当時、内閣官房長官)を嫌っているという著者の本音が透けて見えるところも、ちょっとおかしい。
以下、ロシア関係のネタが興味深かったのでメモ。
- ロシア大統領プーチンは人間を愛さず、その愛はメスのラブラドール犬、コニーに向けられているとのこと(今日流れた、プーチンの再婚報道とあわせて考えると面白い)。
- ロシア憲法は大統領の連続三選を禁止しているので、一期別の人間(先日当選したメドベージェフ)に大統領をやらさせた後、また大統領選に出馬すると、著者は予想している(個人的にはありそうだという気がする)。



まで頂ければ幸いです。
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