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ぽっぺん日記@karashi.org


2008-07-08(Tue) [長年日記]

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_ 〈ライラの冒険〉の原作者が描くヴィクトリア朝英国を舞台にした冒険小説──マハラジャのルビー (創元推理文庫 F フ 9-1 サリー・ロックハートの冒険 1)(フィリップ・プルマン)

東京創元社様より本が好き!経由で献本御礼。

先日、映画化された〈ライラの冒険〉シリーズの原作者フィリップ・プルマンによるヴィクトリア朝英国で繰り広げられる冒険小説〈サリー・ロックハートの冒険〉シリーズ第1弾が本書。 昨年5月に刊行された単行本の文庫版だ。


マハラジャのルビー

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書評/ミステリ・サスペンス

実は単行本の新刊の際にも「本が好き!」で献本リストに上がったのだが、あらすじから「どうせ、お子様向けだろう」とスルーしてしまった経緯がある。 その後、評者の方々の書評を読んだところ、かなりの高評価で臍を噛んだのだが、あとの祭り。 そんな訳でこれまで手に取る機会がなく、ここまできてしまった。

それがわずか1年余で「文庫落ち」とは、おそるべし〈ライラの冒険〉効果というべきだろうか。 なんにせよ、ありがたいことである。

届いた本書のページを開いたところ、予想を違わないデキでぐいぐい引っ張られるままに一気に読了してしまった。 児童小説という形態ではあるものの、ヴィクトリア朝英国の時代背景と魅力をおさえた良作だ。

舞台は1872年のロンドン。 16歳の少女、サリー・ロックハートは海運会社を経営する父親を南シナ海で起きた海難事故で失い、天涯孤独の身となってしまった。 そんなサリーの元に一通の手紙が送られてくる。 そこには彼女への警告とともに、「七つの祝福」という謎めいた言葉が書かれていた。 その謎を解くため訪れた父の会社の重役はその言葉を聞いた途端、恐怖のあまり死んでしまった。 父の死にはどんな秘密が隠されているのか。 真相を知ろうとするサリーだが、その前に巨大な陰謀が立ち塞がる……。

本書の魅力のひとつはなんといってもキャラ立ちした登場人物たちだろう。 主人公サリーは良家の娘でありながら男勝りの勇気と行動力の持ち主。 なにしろ、元軍人の父親の教育と自分の興味がおもむくままに学習したの結果、

サリーは英文学、フランス語、歴史、美術、音楽に関する知識は皆無だが、軍の作戦、簿記、株式市場の動き、ヒンドゥー人に関する実用的知識には堪能になった。(p.29)

さらに乗馬も射撃もできるという、当時のレディーの嗜みとされていたものとは正反対の特技を持つ少女なのだ。

少々世間知らずの面のあるサリーを支えるのは、写真家と女優の兄妹、彼らの助手として働く元スリ、読書好きの海運会社の給仕の少年といった冒険の過程で出会った仲間たちだ。

彼女たちは、貧民街に影響力を持つ謎の老婆をはじめとする一癖も二癖もある悪役と争いつつ、サリーの父親の死の謎と呪われたルビーが渦巻く冒険に否応なしに巻き込まれていく。

本書のもうひとつの魅力は、きっちり書き込まれたヴィクトリア朝ロンドンの町並みや風俗、習慣である。 阿片窟や英国の植民地支配、抑圧された女性といったダークな面も、柔らかい筆致ではあるものの、ちゃんと描写している点は好感が持てる。 クイーンズベリー・ルールやバネ足ジャックなんていう、ヴィクトリア朝マニアのハートをくすぐる単語がちらっと登場するのもいい。

本書はいくつかの「引き」を残しつつ幕を閉じる。 シリーズ第2弾は本書から6年後を舞台にしているとのこと。 22歳となったサリーが本書からつづく伏線とどう絡むのか。 続篇の刊行が楽しみだ。

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_ crossreviewはじめました

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色々書きたいことが山積みになって、 途中まで書いたものの最後まで書けなかった読書感想や、全然感想が書けなかった本があるので、そういうものはあっちにちょこちょこ書いてみようかなと思っている。

とりあえず、今日は戦争もの3本を書いた。

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本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]
_ 河野 (2008-07-09(Wed) 01:54)

紹介ありがとうございます! <br>がっつりレビューはブログに、さらっとレビューはcrossreviewに書いてください♪ <br>これからもよろしくお願いします!

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